株式明日の戦略-4日ぶり反発も上値は重い 目先は不安定な相場が続くか

 25日の日経平均は4日ぶり反発。終値は172円高の37780円。米国株の大幅高や円安進行を追い風に、寄り付きから300円を超える上昇。開始早々に節目の38000円を上回ると、上げ幅を500円超に広げて38100円台に乗せた。しかし、買いは続かず10時以降は値を消す流れがしばらく続いた。失速感が強まる中、後場には上げ幅を2桁に縮める場面もあった。TOPIXが下げに転じたところで切り返したことから日経平均も13時台半ば以降はやや持ち直しており、3桁の上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆9300億円。業種別では精密機器、不動産、繊維などが上昇した一方、銀行、電気・ガス、水産・農林などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入ったタイミー<215A.T>が商いを伴って急騰。リクルートホールディングス<6098.T>がスポットワークサービスの開発中止を決定しており、こちらも同社の事業環境に大きなプラスになると受け止められた。半面、アドバンテスト<6857.T>が3%を超える下落と弱さが目立った。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1008/値下がり562。売買代金上位ではディスコ、DeNA、三菱地所などが大幅上昇。治験開始に関するリリースが好感されたセルシードがストップ高比例配分となったほか、助成金収入の計上を発表したサイフューズが急伸しており、クオリプスやサンバイオなど創薬・バイオ関連が賑わった。増配を発表したミマキエンジニアリングが11.6%高と値を飛ばした。

 一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって下落。前日1000円の大台を突破した後に失速したJX金属が大きく売られた。三菱UFJなど銀行株が全般軟調。下方修正や減配を発表した池上通信機が急落した。

 本日グロース市場に新規上場したビジュアル・プロセッシング・ジャパンは高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回り安値引けとなった。初値持ち越しで2日目も買い気配スタートとなったミライロは、高い初値をつけた後も買いが殺到してストップ高となった。

 日経平均は一時500円超上昇したものの、引けでは172円高(37780円)と上げ幅を縮小。安値圏からは切り返したが、きょうも大引けにかけてガクッと水準を切り下げた。24日の米国では3指数がそろって上昇しており、中でも半導体株が強かった。為替市場では円安(ドル高)が進行し、ドル円は150円台を回復した。日本株上昇のお膳立てが十分すぎるほど整っていたにもかかわらず、日経平均は伸び悩んで陰線を形成。終値は25日線(37781円、25日時点)に近く、これを明確に上回ることはできなかった。個別をみても3月決算の主力どころに方向感が定まっていない銘柄が多く、権利落ちまでは不安定な動きが続くだろう。
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