ロンドン為替見通し=独Ifo企業景況感指数や関税を巡る動向、当局者の講演に注目

 本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、欧州最大の経済規模・ドイツの経済指標を確認し、またトランプ関税に絡んだリスクセンチメントの強弱を測りながらの値動きか。また複数の欧州金融当局者の講演も予定されており、来月16-17日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けたヒントを探ることになる。

 昨日発表された3月独サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値は前回から上振れ予想だったところから弱い結果に。ただ、景況判断の境目となる50は何とか維持し、同月製造業PMI速報値は48.9と予想以上に上昇して2022年半ば以来の50が視野に入ってきた。

 本日ドイツからは3月Ifo企業景況感指数が発表され、前回から強い86.7が見込まれている。予想に沿った内容であれば3カ月連続上昇であり、昨年7月以来の水準だ。昨日の3月製造業PMIと同じく、底打ち感が出てきたとも言える。ただ注意すべきは、期待値が高い分だけ「それほどでもない」結果が出た場合。ユーロドルは1.08ドル台では伸び悩んでいることもあり、下値警戒感が高まってしまうかもしれない。

 さてトランプ関税だが、昨日もトランプ米大統領が「関税で多くの国に猶予を与えるだろう」と発言し、先週言及した「柔軟性」をまじめに考えていることが示された。関税を巡る過度な警戒感が後退し、欧州株は小幅安で引けたものの、米株は大きく買われて終えている。欧州市場では、リスクセンチメントの改善がこのまま続くかを見定めたい。

 当局者講演は、スロバキア、エストニア、オーストリア、クロアチアの中銀総裁が予定されている。短期金融市場は、今年6回を残すECB理事会で2度の0.25%利下げを織り込んでいる。この辺は暫く揺らぎそうにないが、市場の金利低下観測に対して、タカ派として知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁がどのような見解を示すか注目したい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0869ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0748ドルを下抜けると200日移動平均線1.0727ドル


(小針)
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