NY為替見通し=ドル円、円ロングの解消継続には警戒

 トランプ関税への過度な警戒感が緩んでいることを背景としたドル円の上昇はいったん一服した。一時150.94円と3日以来の高値を更新したが、151円の大台を前に伸び悩むと150.30円台に押し戻された。

 足もとではトランプ関税への過度な警戒感が和らいだだけであって、今後も関税に振り回される相場展開が続く可能性が非常に高く、この材料でドル円の上昇が一段と加速するとは考えたくない。ただ、まだ円のロングはかなり溜まっている。商品先物取引委員会(CFTC)が発表した18日時点の円のネット・ポジションは12万2964枚の買い越しと、買い持ちは前週比で減少したものの引き続き高い水準となっている。円ロングの解消継続によるドル円の一段高には警戒したい。

 トランプ米大統領にとって関税はディールであり、同氏にとって朝令暮改は何の驚くことでもない。同氏の発言にいちいち反応し、相場は疲れるだけだが、関税はトランプ政権のメインテーマであって長い付き合いになるかも知れない。

 市場ではドル円が150円台まで持ち直したことで、テクニカル的に年初来の下落局面はいったん終了した形となったとの声も聞かれ、大台に定着できるかどうかが注目されているが、足もとで150円はそれほど大きなポイントにはならないだろう。NYタイムでは1月住宅価格指数、2月新築住宅販売件数など住宅データや、3月リッチモンド連銀製造業指数や3月消費者信頼感指数の発表が予定されている。予想は前月に比べて強弱まちまちとなっている。指標結果に睨みつつ、関税関連のヘッドラインに注視するうごきとなるか。

・想定レンジ上限
 ドル円、本日これまでの高値150.94円、3日高値151.30円を上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、節目の150.00円、日足一目均衡表・基準線149.43円を下値めど。

(金)
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