週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、先行き不透明感深まる

◆トランプ関税への警戒感は払拭されず、相場全般のリスクオン・オフで変動
◆ポンド、英経済成長見通し引き下げられ先行き不透明感は深まったまま
◆加ドル、米加関係は改善の兆し感じられず

予想レンジ
ポンド円 192.50-198.50円 
加ドル円 103.50-107.50円 

3月31日週の展望
 来週もトランプ関税への警戒感は払拭されず、相場全般のリスクオン・オフでポンドや加ドルは変動する可能性が高い。また週前半は日本の年度末と年度始めを挟むため、本邦実需勢から持ち込まれるフローで上下させられる場面もありそうだ。

 英国からは、3月製造業及びサービス部門の購買担当者景気指数(PMI)改定値が発表予定。速報値ではそれぞれ、45割れと53超えだった。今週、予算責任局(OBR)が2025年経済成長率見通しを従来2%から1%に引き下げた後でもあり、速報値で市場予想を下回った製造業PMIを注意したい。一層弱い結果となれば、先行きに対する悲観的な見方がポンドの重しとなるだろう。

 OBRは25年インフレ率見通しも公表。平均3.2%とした。この予想は、昨年10月に市場を驚かせた大幅な上方修正(平均1.5%から2.6%)から更に加速した値。今年の見通しで、成長率が下振れた一方でインフレ率が上振れたのは、やはりトランプ関税に起因するもの。不確実性が高いため市場も予測しづらく、今後も経済全体の先行き不透明感は深まったままだろう。

 なお、足もとの英インフレは減速していた。今週発表された2月消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%、コアCPIが3.5%とそれぞれ前回より0.1ポイントの鈍化予想をさらに下回った。これを受けて、市場では次回5月の英中銀会合で追加利下げを見込む向きが増えている。ただし、英中銀が注視しているサービス部門のインフレ率は高止まりしており、「次の一手」を見通すためには4月半ばに発表される3月英CPIを確認する必要がありそうだ。

 加ドルは依然として、米政権の関税強化策がカナダ経済に与える影響を見極めながらの取引となりそうだ。トランプ米大統領は今週、輸入自動車に25%の関税をかける大統領令に署名した。ただ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠した自動車部品は当面免除される。もっともカナダの自動車輸出は米国向けが主であり、高率な関税による自動産業へのダメージは避けられないだろう。カナダはすでに総額1550億加ドルの報復関税パッケージを発表しているが、カーニーカナダ首相は追加の報復措置を取る意向を示した。

 カナダは総選挙を4月28日に控えており、今後、支持率を高めるためにもトランプ大統領との対立度合を強めていくのではないか。改善の兆しが感じられない米加関係を、市場がどのように判断するのかを見定めることになる。

3月24日週の回顧
ポンドや加ドルは対円で買いが先行。前週末にトランプ米大統領が相互関税について「柔軟性がある」との考えを示し、週明けも「多くの国に猶予を与えるだろう」と発言すると、リスク回避の巻き戻しが進んだ。新たな自動車関税発表で緩む場面はあったものの、一巡後はポンド円が196円手前、加ドル円が105円後半まで上昇した。

 ポンドドルは1.30ドル手前まで買われる場面があった。2月英CPIの鈍化で下押す場面はあったが、1.28ドル後半では支えられた。加ドルは対ドルで1.4230加ドル台まで加ドル高に振れた後は1.43加ドルを挟み上下した。

(小針)
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