ロンドン為替見通し=材料を確かめながらの取引、ECB総裁の見解にも注目

 本日のロンドン為替市場では、複数の経済指標や欧州金融当局者の講演内容を確かめながらの取引か。ユーロドルは1.07ドル台では下値を切り上げつつあるが1.08ドル半ばでは頭を抑えられる展開が続いている。ただし昨日レンジ(1.0784ドル-1.0849ドル)を広げられるようだと、動意が一層高まるか。

 欧州序盤には、改定値ではあるが仏・独・ユーロ圏の3月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。それぞれ速報値では市場予想から上振れ、48台と景況判断の境目50に近づいてきた。トランプ関税への警戒感が拭えないなかで一気に上昇というのは難しいだろうが、底堅さを確認できればユーロにとってポジティブと受け取る向きもいそうだ。

 PMIの後には3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表予定。昨日の3月独消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%と前年比2.2%とそれぞれ前回から0.1ポイント低下と予想に沿った結果だった。ユーロ圏経済の中心国と同じく、本日のHICPも前年比2.2%と前回から0.1ポイントの減速が予想されている。こちらはサプライズなしか。

 注目はその後に予定されているラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演。昨日は「ECB内では、4月の金利据え置きを受け入れる用意のあるメンバーが増えている」との一部報道でユーロ買い戻しに繋がる場面があった。ラガルド総裁のこれまでのスタンスを考えると、こういった報道を素直に認めるとは思わないが、どのような見解を示すかに注目が集まる。

 その他、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁やチポローネECB専務理事が欧州前半に講演予定。また英国からは、グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演と3月製造業PMI改定値が発表される。

想定レンジ上限
・ユーロドル、3月21日高値1.0861ドルを超えると3月20日高値1.0917ドル
・ポンドドル、3月20日高値1.3015ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、3月28日安値1.0765ドル
・ポンドドル、200日移動平均線1.2807ドル


(小針)
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