NY為替見通し=NY連銀総裁のインフレに対する見解、カナダ小売売上高などが材料に

 本日のニューヨーク為替市場でドル相場は、まずはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演内容を確認しながらの取引か。ウィリアムズ総裁は今月初旬に、トランプ関税について「インフレにいくらか影響を与える」と述べながらも、「インフレ率は時間の経過とともに2%まで低下する」との見通しを示した。

 トランプ関税による先行き経済の不確実性については、各国の金融当局者が懸念を表明している。ただし、インフレについて上昇圧力は否定しないものの、「一時的」との見方が多いのも確かだ。

 本日の講演で、米連邦公開市場委員会(FOMC)内でも影響力が強いNY連銀総裁が、物価上昇についてどの程度の警戒感を示すかが注視される。もしインフレ2%回帰に更に自信を深めているようであれば、現状は市場が迷っている「FOMC年内3回の利下げ」を織り込みに行くかもしれない。

 カナダからは、1月小売売上高が発表予定。総合と除く自動車ともに、前月比で前回2%超えからマイナスに沈むとの予想。対象月の前月は12月、クリスマスシーズンの反動ということは十分に考えられるだろう。しかしながらお隣で、米国第一を掲げるトランプ大統領が正式就任した月でもあり、先行き不安感が買い手控えに繋がった面もあるか。マイナス深掘りとなれば、カナダドルの重しとなるだろう。

 その他もちろん、トランプ米大統領のカナダ絡みの発言には注意しておきたい。トランプ氏が繰り返す「カナダは米国の51番目の州」の相場インパクトは薄いものの、米加関係の溝は着実に広まるだろう。カーニー新カナダ首相は欧州と急接近しており、米国離れの動きに対する市場の反応に注目したい。

想定レンジ上限
・ドル円、19日高値150.15円
・ドル/カナダドル(CAD)、13日高値1.4452CAD

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値148.59円を割り込むようだと昨日安値148.18円
・ドル/カナダドル(CAD)、6日安値1.4242CAD


(小針)
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