株式明日の戦略-大幅高スタートも急失速 不安定な地合いが続くか

 4月に入り1日の日経平均は4日ぶり小幅反発。終値は6円高の35624円。ダウ平均の大幅高を受けて、寄り付きは300円を超える上昇。ただ、上げ幅を400円超に広げた後、節目の36000円を上回ったところで失速した。前場では3桁高の状態はキープした。しかし、後場は一段と水準を切り下げ、13時近辺ではマイナス圏に沈んだ。いったん切り返したが再び下げに転じると、終盤にかけては前日終値近辺で一進一退。クロージングオークションに入った時点では小幅安であったが、大引けの買いでプラスを確保した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆0600億円。業種別では医薬品、電気・ガス、鉱業などが上昇した一方、非鉄金属、精密機器、銀行などが下落した。第三者委員会の調査報告書を受領し、人権・コンプライアンスに関する対応強化策を発表したフジ・メディア・ホールディングス<4676.T>が大幅上昇。半面、アドバンテスト<6857.T>がマイナス転換から下げ幅を広げて3%近い下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり676/値下がり901。主力どころではレーザーテック、リクルート、任天堂などが強めの上昇。第一三共が6%高と目を見張る動きとなった。全体が失速する中でも好材料のあった銘柄には資金が向かっており、HIS、オープンハウスG、しまむらが業績関連のリリースを受けて急騰。メディア記事を手がかりに日本調剤や野村総研が物色された。

 一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって下落。フジクラ、住友電工、古河電工の電線大手3社もそろって下落した。三菱UFJなど銀行株が軒並み安。決算を材料にオイシックスや象印マホービンが大きく値を崩した。

 日経平均は高く始まったものの場中の動きが案外で、かろうじてプラスを確保した程度にとどまった。高値36052円は9時24分と早い時間につけており、節目の36000円は抵抗となった。前引け時点ではプライムの値上がり銘柄が1000を超えていたが、終わってみれば値下がり銘柄の方が多く、日本株の手がけづらさが強く意識された。

 マイナス圏に沈んだところで下げ加速とはなっていないだけに、米国株が大崩れしなければ再度戻りを試す流れにはなるだろう。ただ、トランプ関税の内容を見極めるまでは神経質な展開が想定される。日本経済新聞電子版では、ベッセント米財務長官が相互関税の発表時間について、米東部時間4月2日午後3時(日本時間では3日の午前4時)になるとの見通しを示したと報じている。あすはまだ腰の入った買いが期待しづらい中、35500円レベルで下値を固めることができるかが注目される。
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