株式明日の戦略-全面安で2000円を超える下落 値幅の調整は進む

 7日の日経平均は大幅に3日続落。終値は2644円安の31136円。4日の米国でダウ平均が2000ドルを超える下落となったことを嫌気して、寄り付きから600円を超える下落。多くの銘柄が売り気配スタートとなる中、すぐに4桁の下落となった。

 9時台半ばには下げ幅を2900円超に拡大。30700円台に入ったところで売りが一巡し、そこから2000円安程度までは急速に下げ幅を縮めた。しかし、11時辺りまでで戻りは一巡。その後は売り直されては幾分戻すといった動きが続き、後場の安値圏で取引を終えた。グロース250指数は10.5%安と2桁の下落率となった。

 東証プライムの売買代金は概算で6兆9800億円。業種別では全業種が下落した。相対的に値を保った食料品、陸運、ゴム製品でも4%台の下落。非鉄金属、保険、証券・商品先物の3業種は10%を超える下落と、業種問わず総売りの1日となった。GMOインターネット<4784.T>が地合いの悪い中でも急騰。半面、今期の最終減益見通しを提示した安川電機<6506.T>がストップ安まで売られる場面もあるなど急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり6/値下がり1628と、値上がり銘柄がほぼ皆無。本決算や株主還元方針の変更などが好感されたメディカル一光グループが逆行高となった。

 主力銘柄の多くが売り気配スタートとなったが、三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行は、そろって値が付くまで30分近くかかった。ディスコやアドバンテストなど半導体株には2桁の下落率となるものが続出。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートHD、日立などグロース系の主力銘柄も、多くが2桁の下落率となった。防衛株や電線株も派手に下げており、古河電工やフジクラはストップ安まで売られる場面があった。

 本日、スタンダード市場に新規上場したIACEトラベルは、地合いの悪い中、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。

 日経平均は2000円を超える下落。先週3日や4日は大幅安となる中でも資金の振り向け先がないわけではなかったが、きょうはどこにも逃げ場がなかった。安値は30792円で、3万円割れもあるかという状況。月足チャートで60カ月線が30614円(7日時点)に位置しており、これをサポートに下げ止まってほしいところだ。

 値幅では相当調整が進んでおり、間を置かず一段安となるようなら、政府や日銀から株安をケアする目的でのアナウンスが出てきても良いレベルにはなってきている。主力銘柄は軒並み安ではあったが、関税の影響が大きいとみられるトヨタ<7203.T>やホンダ<7267.T>は他の銘柄に比べると下げがおとなしかった。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほFG<8411.T>のメガバンク3行は寄り付きから強烈に売り込まれたが、いずれもローソク足では実体の長い陽線を形成した。これらはPBR1倍割れ銘柄でもあり、戻りの先導役になれるかが注目される。


(山下)
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