ニューヨーク外国為替市場概況・7日 ドル円、続伸

 7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は147.84円と前営業日NY終値(146.93円)と比べて91銭程度のドル高水準だった。ハセット米国家経済会議(NEC)委員長の発言として「トランプ米大統領は中国を除くすべての国・地域に対する関税を90日間、一時停止することを検討している」との報道が伝わると、米長期金利が大幅に上昇。一時1700ドル超下落したダウ平均が持ち直し、890ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、一時148.15円と日通し高値を更新した。
 米ホワイトハウスが「90日間の関税停止はフェイクニュース」と当該記事を否定したうえ、トランプ氏が「関税の一時停止は考えていない」と発言すると伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。米長期金利が高い水準を維持したことなどが相場を下支えし、引けにかけては再び148円台に乗せた。
 なお、トランプ氏が自身のSNSに「中国が明日8日までに34%の追加関税を撤回しない場合、米国は9日から中国に50%の追加関税を課す」と警告した。

 ユーロドルは続落。終値は1.0912ドルと前営業日NY終値(1.0956ドル)と比べて0.0044ドル程度のユーロ安水準となった。日本時間夕刻に一時1.1050ドルまで上昇する場面もあったが、NY市場では上値の重い展開となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、0時30分過ぎに一時1.0902ドル付近まで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.53まで上昇した。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は161.31円と前営業日NY終値(160.91円)と比べて40銭程度のユーロ高水準。イタリア外相が「欧州連合(EU)の対米報復関税の発動は4月30日まで延期される可能性がある」との見解を示したほか、フォンデアライエン欧州委員長が「米国に工業製品でゼロ対ゼロの関税を提案した」と明らかにすると貿易戦争への過度な警戒感が後退。リスク回避の巻き戻しが進んだ。「トランプ氏は関税一時停止を検討」との一部報道をきっかけに、米国株が持ち直すとユーロ円にも買い戻しが入った。23時過ぎには一時162.37円と日通し高値を更新した。もっとも、米ホワイトハウスが当該記事を否定すると伸び悩んだ。

本日の参考レンジ
ドル円:144.82円 - 148.15円
ユーロドル:1.0882ドル - 1.1050ドル
ユーロ円:158.30円 - 162.37円

(中村)
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