NYマーケットダイジェスト・9日 米相互関税一時停止で株急騰・円安(1)

(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.76円(前営業日比△1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.88円(△1.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0949ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:40608.45ドル(△2962.86ドル)
ナスダック総合株価指数:17124.97(△1857.06)
10年物米国債利回り:4.33%(△0.04%)
WTI原油先物5月限:1バレル=62.35ドル(△2.77ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3079.4ドル(△89.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)   20.0%      ▲1.6%
2月米卸売売上高
(前月比)   2.4%     ▲0.9%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。この日発動された米相互関税(上乗せ分)に対抗する格好で、欧州連合(EU)は農産物や鉄鋼、家電などの米国製品に最大25%の追加関税を課すことを承認。また、中国は米国から輸入する製品に対する関税を84%に引き上げると表明した。
 米国と貿易相手による関税の応酬が世界景気に悪影響を及ぼすとの懸念から、欧州株相場や時間外のダウ先物が下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行。ベッセント米財務長官が最近の円高について「自然な流れ」と発言したことも相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時144.00円と昨年10月以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。トランプ米大統領がSNSに「落ち着いて(BE COOL)!すべてうまくいく」「今は買いの好機だ」などと投稿すると、安く始まった米国株相場が上昇。警戒されていた米10年債入札が「堅調」だったこともあり、ドル円はじり高の展開となった。
 日本時間2時過ぎにトランプ米大統領が「中国への関税を125%に引き上げる」とした一方、「米国に対して報復措置を取っていない国・地域を対象に関税(上乗せ分)引き上げを90日間一時停止する」と発表すると、ダウ平均が3100ドル超上昇し、ナスダック総合が12%超急騰。貿易戦争への過度な警戒感が後退し、リスク回避の巻き戻しが広がった。3時過ぎには一時148.27円まで急伸した。

・ユーロドルは小反落。対円などでドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時30分過ぎに一時1.1095ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、節目の1.1100ドル手前では買いが一服。米政権の「相互関税」に伴う世界経済の先行き不透明感が高まる中、欧州株相場の下落に伴うユーロ売りも出た。
 NY午後に入ると、トランプ米大統領が自身のSNSに「報復措置を取っていない国・地域を対象に関税引き上げを90日間一時停止する」と記したことが材料視されて、ユーロ売り・ドル買いがさらに進んだ。3時過ぎには一時1.0914ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は反発。しばらくは160.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、トランプ米大統領がこの日発動した「相互関税」の一部について「90日間の一時停止を許可する」と発表すると、米国株相場が急騰。投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いが進んだ。3時30分前には一時162.20円と日通し高値を付けた。

(中村)
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