NYマーケットダイジェスト・9日 米相互関税一時停止で株急騰・円安(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに大幅反発。関税の応酬が世界景気の悪化につながるとの懸念から売りが先行すると、一時360ドル超下落した。ただ、トランプ米大統領がSNSに「落ち着いて(BE COOL)!すべてうまくいく」「今は買いの好機だ」などと投稿すると、徐々に買い戻しが優勢に。NY午後に入り、トランプ氏がこの日発動した「相互関税」について「報復しない国・地域に90日間の関税一時停止を承認」と発表すると急騰した。指数は一時3100ドル超上昇する場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も急反発。前日に約1年3カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、自律反発狙いの買いも入りやすかった。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。アジア時間には関税引き上げによるインフレ懸念の高まりやポジション解消の売りが優勢となり、利回りは一時4.5114%前後まで上昇する場面があった。ただ、NY市場では下げ渋る展開に。警戒されていた10年債入札が「好調」だったことが分かると買い戻しが進み、利回りは4.29%台まで上昇幅を縮めた。

・原油先物相場は5日ぶりに反発。関税の影響で原油需要の落ち込みが懸念されるなか、一時55.12ドルまで下落して期近物としては2021年2月以来の安値を付けた。しかし、トランプ米大統領の「報復しない国・地域に90日間の関税一時停止を承認」との発言が伝わると、リスク回避の動きが後退して原油を買い戻す動きが強まった。

・金先物相場は続伸。EUが報復関税を発表するなど、報復関税の応酬による世界的な景気減速懸念を背景に、相対的に安全資産とされる金に買いが入った。もっとも、トランプ米大統領の「報復しない国・地域に90日間の関税一時停止を承認」との発言が伝わるとリスク回避の動きが後退して金が上げ幅を縮小する場面も見られた。

(中村)
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