週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、17日予定の日米通商交渉に注意

◆ドル円、日本の3月CPIや対米貿易黒字に注目
◆ドル円、17日に予定されている日米通商交渉の行方に注意
◆ユーロドル、ECB理事会での利下げの有無に注目か

予想レンジ
ドル円   141.00-147.00円
ユーロドル 1.0900-1.1500ドル

4月14日週の展望
 ドル円は、17日に予定されている日米通商交渉への警戒感が上値を抑える中、3月の消費者物価指数(CPI)や対米貿易黒字を見極めていく展開が予想される。

 トランプ米政権による日本に対する24%の相互関税の発動は90日間停止されることになり、17日に予定されている日米通商交渉で、関税、非関税障壁、そして為替問題が注目されることになる。日米通商交渉は、米国側がベッセント米財務長官とグリア通商代表部(USTR)代表、日本側が赤沢経済再生相の間で行われる。為替相場に関する協議にも注目が集まりそうだ。ベッセント米財務長官は就任以来、加藤財務相や植田日銀総裁と会談しているが、「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べている。9日には、最近の円高について、日本経済の強さと日銀の利上げ方針を理由に「自然な流れだ」とも発言。一部市場では、1985年のプラザ合意のようなドル安誘導策が打ち出される可能性も指摘されている。

 来週は日本の指標に注目している。17日発表の3月貿易収支では、対米貿易黒字の金額とトランプ米政権の相互関税の算出式での税率を確認していくことになる。1~2月の対米貿易黒字は1兆3957億円、対米輸出は3兆4440億円だったので、計算式では約40.5%。2024年の対日貿易赤字から算出された46%を下回っている。

 また、18日発表の3月コアCPIは、3月分までは電気・都市ガス代の補助金により、+0.3%程度の調整でインフレ動向を見極めることになる。先行指標である3月の東京都区部コアCPIは前年同月比2.4%だった。

 ユーロドルは、今週チャート上では上抜けたものの、欧米貿易戦争への警戒感が払拭されない中、欧州中央銀行(ECB)理事会での6会合連続での利下げ観測の高まりなどから、上値は重い展開を予想している。経済指標では、ドイツ4月のZEW景況指数などに注目しておきたい。

4月7日週の回顧
 ドル円は、米相互関税への警戒感から144.00円まで下落した後、トランプ米大統領が90日間の猶予を発表したことで148.27円まで急激に買い戻された。ただ、報復措置を取った中国に対する関税は145%まで引き上げ。中国も強硬姿勢を崩さず、米中貿易戦争への警戒感から再び戻り売りが強まった。週末のアジア市場では144.00円を下抜けたことからSLを巻き込んで142.89円まで値を下げている。ユーロドルは、米トリプル安となったことから2024年9月25日の高値1.1214ドルや2023年7月18日の高値1.1276ドルを上抜けて一時1.1383ドルまで急伸した。(了)(執筆:4月11日、9:40)
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