週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米自動車関税の影響見極め
◆ドル円、米自動車関税発動による影響見極め
◆週末の米雇用統計をはじめ、米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、ECBの追加利下げ観測高まる
予想レンジ
ドル円 148.00-154.00円
ユーロドル 1.0500-1.1000ドル
3月31日週の展望
ドル円は、トランプ政権による関税政策発動による株価への影響を見極めながら、週末の米雇用統計を始めとした米重要指標に一喜一憂する展開が想定される。トランプ米大統領は26日、米国内に輸入される全ての自動車に対して25%の追加関税を課す文書に署名した。これにより、4月2日から発動され、エンジンなど主要部品についても5月3日までに発動される予定だ。米大統領は「敵味方問わず、彼らは我が国から多くのものを奪ってきた。率直に言って、敵よりも友の方がはるかにひどいことも多かった」と述べており、その味方(友)とされるのが日本であり、今後関税が緩和もしくは撤廃される可能性はかなり低そうだ。対米輸出の3割弱を自動車が占める日本経済への打撃は必至であり、日本の景気先行き懸念は一層高まるだろう。そうなれば、日銀の政策決定にも大きく影響を与えるため、植田総裁をはじめ日銀メンバーの見解に注目したい。
また、来週は4月1日に3月ISM製造業景況指数、4月2日に3月ADP雇用統計、4月3日に3月ISM非製造業景況指数、4月4日に3月米雇用統計の発表が予定されている。6月の利下げ確率が5割前後と意見が分かれており、指標の結果次第で織り込んでいく動きになるかどうかを見極めることになりそうだ。なお、来週は週明けが月末・期末最終日となり、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けた特殊なフローにも警戒しておきたい。また、日本は4月1日から新年度に入るため、本邦実需勢の動きにも注意が必要となるだろう。
ユーロドルは上値が重くなりそうだ。世界的な貿易摩擦がもたらす不確実性から、短期市場では欧州中央銀行(ECB)が4月に6会合連続で利下げを行うとの予想が8割程度まで高まっている。ただ、前回会合でラガルドECB総裁は「利下げの一時停止はあり得る」と述べていたほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁も利下げ休止の検討を訴えているため、メンバー間でも意見が分かれている状況。来週は4月1日に製造業、4月3日にサービス分門の欧州各国購買担当者景気指数(PMI)改定値が予定されており、速報値から下方修正されれば一段と利下げへの思惑が広がり、ユーロは下値リスクが高まるだろう。
3月24日週の回顧
ドル円は底堅い。週明けは3月米サービス部門PMI速報値が予想より強い内容だったことで買いが強まり151円手前まで上昇した。翌日は3月米消費者信頼感指数など弱い指標が相次いだため149円台半ばまで下げたが下値は限定的。米長期金利の上昇も支えに週後半には151円台を回復。一時151.15円まで上値を伸ばしている。
ユーロドルは方向感がない。週明けに1.0858ドルまで上昇も、米関税政策が嫌気され1.0733ドルまで下押しした。一方で200日MAが下値の目処として意識されたほか、月末絡みの買いが観測されるなど下値は限られた。(了)
(小針)
◆週末の米雇用統計をはじめ、米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、ECBの追加利下げ観測高まる
予想レンジ
ドル円 148.00-154.00円
ユーロドル 1.0500-1.1000ドル
3月31日週の展望
ドル円は、トランプ政権による関税政策発動による株価への影響を見極めながら、週末の米雇用統計を始めとした米重要指標に一喜一憂する展開が想定される。トランプ米大統領は26日、米国内に輸入される全ての自動車に対して25%の追加関税を課す文書に署名した。これにより、4月2日から発動され、エンジンなど主要部品についても5月3日までに発動される予定だ。米大統領は「敵味方問わず、彼らは我が国から多くのものを奪ってきた。率直に言って、敵よりも友の方がはるかにひどいことも多かった」と述べており、その味方(友)とされるのが日本であり、今後関税が緩和もしくは撤廃される可能性はかなり低そうだ。対米輸出の3割弱を自動車が占める日本経済への打撃は必至であり、日本の景気先行き懸念は一層高まるだろう。そうなれば、日銀の政策決定にも大きく影響を与えるため、植田総裁をはじめ日銀メンバーの見解に注目したい。
また、来週は4月1日に3月ISM製造業景況指数、4月2日に3月ADP雇用統計、4月3日に3月ISM非製造業景況指数、4月4日に3月米雇用統計の発表が予定されている。6月の利下げ確率が5割前後と意見が分かれており、指標の結果次第で織り込んでいく動きになるかどうかを見極めることになりそうだ。なお、来週は週明けが月末・期末最終日となり、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けた特殊なフローにも警戒しておきたい。また、日本は4月1日から新年度に入るため、本邦実需勢の動きにも注意が必要となるだろう。
ユーロドルは上値が重くなりそうだ。世界的な貿易摩擦がもたらす不確実性から、短期市場では欧州中央銀行(ECB)が4月に6会合連続で利下げを行うとの予想が8割程度まで高まっている。ただ、前回会合でラガルドECB総裁は「利下げの一時停止はあり得る」と述べていたほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁も利下げ休止の検討を訴えているため、メンバー間でも意見が分かれている状況。来週は4月1日に製造業、4月3日にサービス分門の欧州各国購買担当者景気指数(PMI)改定値が予定されており、速報値から下方修正されれば一段と利下げへの思惑が広がり、ユーロは下値リスクが高まるだろう。
3月24日週の回顧
ドル円は底堅い。週明けは3月米サービス部門PMI速報値が予想より強い内容だったことで買いが強まり151円手前まで上昇した。翌日は3月米消費者信頼感指数など弱い指標が相次いだため149円台半ばまで下げたが下値は限定的。米長期金利の上昇も支えに週後半には151円台を回復。一時151.15円まで上値を伸ばしている。
ユーロドルは方向感がない。週明けに1.0858ドルまで上昇も、米関税政策が嫌気され1.0733ドルまで下押しした。一方で200日MAが下値の目処として意識されたほか、月末絡みの買いが観測されるなど下値は限られた。(了)
(小針)