NY為替見通し=ベッセント米財務長官の記者会見と4月消費者信頼感指数に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米東部時間午前8時30分(日本時間21時30分)から予定されているベッセント米財務長官の記者会見を見極めた後は、4月米消費者信頼感指数や3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の発表を待つことになる。

 ベッセント米財務長官の記者会見では、5月1日に予定されている第2回日米通商交渉や報道されている「ドル安・円高が望ましい」との発言への言及に注目しておきたい。

 ベッセント米財務長官は、昨日、関税交渉で早ければ今週か、来週にも合意に達する国が出てくるという見通しを示し、交渉が進展すれば、トランプ米大統領が今週末にも最終的な判断を下す可能性がある、と述べていた。

 また、「貿易摩擦の緩和は中国次第だ」と発言しており、交渉に進展がないことが判明した場合は、米中貿易戦争への警戒感が高まることになる。
 そして、「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」とも述べており、日銀金融政策決定会合への利上げ圧力を彷彿とさせていた。

 23時に発表される4月米消費者信頼感指数は87.5と予想されており、4年ぶりの低水準に落ち込んだ3月の92.9からの悪化が見込まれている。3月の1年先のインフレ期待は、2年ぶりの高水準となる6.2%まで上昇しており、関税スタグフレーションへの警戒感を高めていた。
 さらに、今後6カ月の見通しを示す期待指数は65.2と、12年ぶりの低水準となり、80以下のままでリセッション(景気後退)への警戒感を高めていた。
 また、今週末発表される4月雇用統計に向けて労働市場格差(※3月:17.9)にも注目しておきたい。

 3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は748.0万件と予想されており、2月の756.8万件からの減少が見込まれており、予想通りならば、トランプ関税への警戒感から労働需要の抑制が確認されることになる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、143.89円(4/28高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、141.49円(4/23安値)


(山下)
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