NY為替見通し=ドル円、日米財務相会談に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、4月雇用統計の調査対象週である失業保険継続受給者数を見極めた後は、日米財務相会談に警戒する展開が予想される。

 4月雇用統計の調査対象週(4月12日週)の失業保険継続受給者数は187.5万人と予想されており、前回発表値188.5万人からの減少が見込まれている。政府効率化省(DOGE)による連邦政府職員の解雇はまだ反映されていない模様で、4月中旬の米国の雇用情勢は、トランプ関税による悪影響はないのかもしれない。

 4月の米雇用統計は、失業率予想は4.2%と3月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は前月比+12.3万人と3月の+22.8万人からの増加幅の減少が見込まれている。

 本日の日米財務相会談では、ベッセント米財務長官が「日本との交渉において米政府は、関税、非関税貿易障壁、為替操作、労働・固定資本投資の政府の補助金、を検討しており、通貨目標(target)は一切ない」と述べたことで、ドル安・円高圧力への警戒感は後退している。

 しかし、トランプ米大統領は、日本が常に円安を求めてきたと主張し、改めて円安ドル高の是正を求めており、ドル円の「目標」はないが、方向性を示す可能性もあることで、予断を許さない状況が続いている。

 リスクシナリオとしては、米連邦準備理事会(FRB)が利下げ路線、日本銀行が利上げ路線を継続することで、ドル安・円高を誘導するような合意に到達する可能性に警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、143.57円(4/23高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、142.10円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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