ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、3日続伸

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に3日続伸。終値は145.39円と前営業日NY終値(143.07円)と比べて2円32銭程度のドル高水準だった。日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、NY市場に入っても円を売る動きが継続した。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回ると全般ドル買いも優勢となり、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。
 ダウ平均が一時430ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比520円高の3万7070円まで上昇したことも円売り・ドル買いを促した。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.1290ドルと前営業日NY終値(1.1328ドル)と比べて0.0038ドル程度のユーロ安水準となった。20時30分前に一時1.1341ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM製造業景況指数をきっかけに全般ドル買いが進むと一時1.1266ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことも相場の重し。
 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、「関税に関する何らかのニュースが本日中にあるだろう」と述べたほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」などと発言。米国と貿易相手との関税を巡る交渉が進展するとの期待もドル買いを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.38まで上昇した。
 ただ、引けにかけては下げ渋った。ユーロ円の上昇につれた買いが入ったほか、4月15日の安値1.1264ドルが目先サポートとして意識された。

 ユーロ円は4営業日ぶりに大幅反発。終値は164.18円と前営業日NY終値(162.01円)と比べて2円17銭程度のユーロ高水準。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に全般円売りが進行。米関税を巡る交渉の進展期待や予想を上回る米指標などを受けて、日米株価指数が上昇したことも相場の押し上げ要因。4時過ぎには一時164.46円と1月7日以来の高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.46円、豪ドル円は93.06円、NZドル円は86.10円、カナダドル円は105.28円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は7.43円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.88円 - 145.73円
ユーロドル:1.1266ドル - 1.1341ドル
ユーロ円:161.81円 - 164.46円

(中村)
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