NY株見通し-今週は貿易交渉の進捗に注目

 今週のNY市場は貿易交渉の進捗に引き続き注目。先週はダウ平均が1203.93ドル高(+3.00%)、S&P500が2.92%高、ナスダック総合が3.42%高と主要3指数がそろって大幅に2週続伸した。マイクロソフトとメタ・プラットフォームズが好決算を発表し、AIラリーへの期待が再び高まったことに加え、関税問題について中国が米国との交渉のテーブルに戻る用意があることを示したことや、4月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことで景気後退懸念が和らいだことが安心感につながった。S&P500は4月22日から週末2日まで9営業日続伸し、2004年11月以来、20年ぶりの長期連騰を記録。トランプ米大統領が4月2日に「相互関税」を発表して以来の下落幅を全て回復し、木曜日に全値戻しとなったナスダック総合に続いた。

 今週は主要国との貿易交渉の進展具合が引き続き焦点となりそうだ。中国の動向が最大の注目点となるほか、カナダ、メキシコ、日本、EUなどとの貿易交渉での進展の有無がセンチメントに影響しそうだ。経済イベントでは、水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目される。FOMCでは政策金利の据え置きが確実視されているが、年内の利下げ見通しを巡り、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が注目される。このほかの経済指標は4月ISM非製造業PMI、3月貿易収支、新規失業保険申請件数など。第1四半期決算はS&P500採用の約100銘柄が発表予定で、フォード、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ウォルト・ディズニー、オキシデンタル・ペトロリアムなどの結果やガイダンスに酔注目となる。

 今晩の米経済指標・イベントは4月ISM非製造業PMIなど。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、タイソン・フーズ、引け後にバーテックス・ファーマシューティカルズ、パランティア・テクノロジーズ、フォード・モーターなどが発表予定。(執筆:5月5日、14:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。