NY株見通し-今週はメガキャップの決算と経済指標に注目

 今週のNY市場はメガキャップの決算と経済指標に注目。先週はダウ平均が2.48%高、S&P500が4.59%高、ナスダック総合が6.73%高とそろって大幅反発した。週初21日は、トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を批判し、FRBの独立性への疑念が高まったことで「アメリカ売り」が強まり、大幅安でスタートしたが、スコット・べッセント財務長官が米中貿易戦争の緩和の可能性に言及したことで22日に大幅反発すると、トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任するつもりはない、中国に対してより穏健な姿勢で臨む用意があるとしたことが好感され週末25日まで4日続伸した。貿易摩擦問題が最悪期を脱したとの見方から足もとで売られたハイテク・ジャイアントに買い戻しが強まったほか、アルファベットが予想を上回る決算を発表したこともセンチメントの改善につながった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の29.65ポイントから21日に一時35.75ポイントまで上昇したが、週末25日は24.84ポイントで終了した。

 今週は発表がピークを迎える第1四半期決算と4月雇用統計などの経済指標に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の180社以上が発表予定で、マイクロソフト、メタ(30日引け後)、アップル、アマゾン・ドット・コム(5月1日引け後)のほか、コカ・コーラ、ファイザー、ビザ、キャタピラー、クアルコム、イーライ・リリー、CVSヘルス、シェブロン、エクソン・モービルなどの決算結果やガイダンスに要注目となる。経済指標では金曜日の4月雇用統計のほか、火曜日に3月JOLTS 求人件数、水曜日に4月ADP民間部門雇用者数、1-3月期国内総生産(GDP)速報値、3月個人消費支出(PCE)価格指数、木曜日に4月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)など注目の経済指標の発表が続く。トランプ関税による景気減速懸念が強まっており、経済指標が予想以上に悪化すれば、リセッション懸念が高まることが警戒される。

 今晩の米経済指標・イベントは4月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にスーパー・マイクロ、ドミノ・ピザ、引け後に NXPセミコンなどが発表予定。
(執筆:4月28日、14:00)

(山下)
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