ロンドン為替見通し=序盤は英指標、その後ユーロ圏データや要人発言 ウ露協議などに注目

 本日のロンドン為替市場では、序盤は英国の経済指標を受けたポンド相場が中心の動きか。ユーロについては、欧州金融当局者の講演や3月ユーロ圏鉱工業生産で上下する場面があるかもしれない。また、トルコで予定されているウクライナとロシアの協議内容にも目を向けておきたい。

 英国からは、1-3月期や3月の国内総生産(GDP)速報値や3月鉱工業生産が発表予定。(評価は分かれるものの)英米貿易協定が結ばれたことで、英経済に対する悲観的な見方は後退しつつある。本日のデータに対する予測はまちまちだが、前回から上振れ予想の1-3月期GDP(前期比)のプラス幅や、下振れ見込みの3月鉱工業生産のマイナス幅がポイントとなりそうだ。

 ポンド相場では、対ユーロの動きに注目。今週に入りユーロポンドは4月初旬以来の安値を更新したものの、0.84ポンド手前では下げ止まっている。0.8410ポンド台には90日移動平均線が位置し、0.8390ポンド付近には200日移動平均線も控えており、長期線を巡る攻防が暫く続きそうだ。

 ユーロ圏からも1-3月期GDPが発表されるがこちらは改定値であり、相場インパクトは弱いだろう。3月鉱工業生産については、前月比・前年比ともに2%台の上昇が見込まれている。ほか、欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事とデギンドス副総裁が講演予定。前者は、これまでのスタンス通りにハト派を維持しそうだ。どちらかというとハト派と捉えられる後者の発言内容を確かめたい。

 トルコのイスタンブールで開催予定のウクライナとロシアの協議には、最初に言い出したプーチン露大統領は欠席するもよう。後ろ盾となることを期待されたトランプ米大統領も不参加が報じられた。和平の向けての進展はそれほど望めない状況で、両者の要求内容がまずは注目となる。なお、ゼレンスキー・ウクライナ大統領はトルコに向かっているが、イスタンブールではなく首都アンカラとされている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1266ドル
・ポンドドル、昨日高値1.3360ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1101ドル
・ポンドドル、12日安値1.3140ドル

(小針)
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