欧州マーケットダイジェスト・16日 独株最高値・金利低下・ドル高

(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(16日15時時点比△0.70円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.62円(▲0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1145ドル(▲0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:8684.56(前営業日比△50.81)
ドイツ株式指数(DAX):23767.43(前営業日比△71.84)
10年物英国債利回り:4.649%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.590%(▲0.032%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1-3月期スイス鉱工業生産
(前年同期比)  8.5%     2.1%・改
3月ユーロ圏貿易収支
(季調済)279億ユーロの黒字 227億ユーロの黒字・改
(季調前)368億ユーロの黒字 240億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控え、円安是正議論への思惑が広がる中、欧州勢が円買い・ドル売りで参入すると一時144.92円と日通し安値を付けた。ただ、9日の安値144.83円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも相場を下支えした。
 NYの取引時間帯に入ると一段と買いが強まった。23時発表の5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%、5-10年先が4.6%といずれも予想を上回ると全般ドル買いが活発化。アジア時間に付けた145.72円を上抜けて、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。
 なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。

・ユーロドルはさえない。市場の関心が高い米関税政策に関する目新しい材料が出ていないこともあり、しばらくは狭い範囲でのもみ合いが続いた。NY市場に入ると、米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般ドル買いが優勢に。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。

・ユーロ円は上値が重かった。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出ると一時163.11円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると162.55円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は続伸し、3月26日以来の高値で取引を終えた。前日の米長期金利の低下などを受け、英株にも買い安心感が広がった。このところ株価水準が切り下がっていたアストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に値ごろ感からの買いが入った。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株も値上がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。前日の米長期金利の低下などが好感されて買いが優勢となった。英国やフランスなど欧州の他の主要な株式相場が上昇したことも相場の支援材料。個別ではラインメタル(2.44%高)やドイツ証券取引所(1.50%高)、ボノビア(1.44%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。

(中村)
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