東京為替見通し=G7控えドルの上値は重いか、RBA理事会は利下げ予想
昨日の海外市場でドル円は、日本時間夕刻に一時144.67円と日通し安値を付けたものの、米国株や米国債相場が持ち直すとドルを買い戻す動きが広がり、145円台前半まで下げ渋る場面があった。ユーロドルは、一時1.1288ドルと日通し高値を更新したが、ユーロクロスが下落した影響も受け、1.1224ドル付近まで下押しした。
本日の東京時間でドル円は、引き続き上値が重い展開になると予想される。本日から22日までカナダのバンフで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。加藤財務相は16日の閣議後の記者会見でベッセント米財務長官と個別に「協議の場を追求していきたい」と述べている。一部ではドル高是正を期待する声があるものの、仮に話し合いが持たれた場合でも4月24日に行われた日米財務相会談のように「為替水準の目標やそれを管理する枠組みの話は全くなかった」と述べると思われる。先週、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言、鄭仁教・韓国通商交渉本部長も「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」と述べるなど、日本とともにドル高・自国通貨安是正が考えられる台湾・韓国両国が、為替協議を否定した。仮にドル高是正を進める場合でも一国だけの合意ではなく、アジア諸国数カ国が足並みをそろえて是正に合意するとの声が多い。
もっとも、トランプ米大統領が猶予を設けた90日間の関税賦課までの日数が徐々に少なくなる中で、ドル高是正が話しあわれる可能性は拭いされない。可能性は低いとはいえ、G7での為替政策に関する文言の微調整などには気を付けたい。なお、今回何も合意が得られない場合でも、6月15-17日にカナダ・カナナスキスで予定されているG7サミットへ向けての土台作りが行われ、水面下では動いている可能性もありそうだ。また、日韓の選挙が終わった7月17-18日のG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれるが、トランプ政権が南アで開催されるG20をボイコットするとの報道もある。
円以外では、豪ドルの値動きに注目。昨日から開かれている豪準備銀行(RBA)理事会で、本日政策金利が公表される。先月30日に発表された豪州の1-3月期消費者物価指数(CPI)は、前年比で+2.4%となり、前(10-12月)期の+2.4%から横ばいとなった。また、RBAが重要視するトリム平均値は+2.9%となり、前期で修正された+3.3%よりも低下した。市場予想よりも小幅に上回ったことや、今後の米国による関税引き上げによるインフレ懸念はあるものの、市場予想ではRBAの目標バンドにヘッドラインとトリム値が収まっていることで、25ベーシスポイントの政策金利を引き下げるとの予想する声が多い。市場予想通り利下げが行われた場合でも、RBAが今後の利下げペースをどのように見ているかによって、市場は動意づくことになるだろう。なお、直近の金利先物市場では今回を含め今年は計3回の利下げ予想になっていたが、更に利下げ予想を高めるか否かが注目される。
(松井)
本日の東京時間でドル円は、引き続き上値が重い展開になると予想される。本日から22日までカナダのバンフで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。加藤財務相は16日の閣議後の記者会見でベッセント米財務長官と個別に「協議の場を追求していきたい」と述べている。一部ではドル高是正を期待する声があるものの、仮に話し合いが持たれた場合でも4月24日に行われた日米財務相会談のように「為替水準の目標やそれを管理する枠組みの話は全くなかった」と述べると思われる。先週、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言、鄭仁教・韓国通商交渉本部長も「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」と述べるなど、日本とともにドル高・自国通貨安是正が考えられる台湾・韓国両国が、為替協議を否定した。仮にドル高是正を進める場合でも一国だけの合意ではなく、アジア諸国数カ国が足並みをそろえて是正に合意するとの声が多い。
もっとも、トランプ米大統領が猶予を設けた90日間の関税賦課までの日数が徐々に少なくなる中で、ドル高是正が話しあわれる可能性は拭いされない。可能性は低いとはいえ、G7での為替政策に関する文言の微調整などには気を付けたい。なお、今回何も合意が得られない場合でも、6月15-17日にカナダ・カナナスキスで予定されているG7サミットへ向けての土台作りが行われ、水面下では動いている可能性もありそうだ。また、日韓の選挙が終わった7月17-18日のG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれるが、トランプ政権が南アで開催されるG20をボイコットするとの報道もある。
円以外では、豪ドルの値動きに注目。昨日から開かれている豪準備銀行(RBA)理事会で、本日政策金利が公表される。先月30日に発表された豪州の1-3月期消費者物価指数(CPI)は、前年比で+2.4%となり、前(10-12月)期の+2.4%から横ばいとなった。また、RBAが重要視するトリム平均値は+2.9%となり、前期で修正された+3.3%よりも低下した。市場予想よりも小幅に上回ったことや、今後の米国による関税引き上げによるインフレ懸念はあるものの、市場予想ではRBAの目標バンドにヘッドラインとトリム値が収まっていることで、25ベーシスポイントの政策金利を引き下げるとの予想する声が多い。市場予想通り利下げが行われた場合でも、RBAが今後の利下げペースをどのように見ているかによって、市場は動意づくことになるだろう。なお、直近の金利先物市場では今回を含め今年は計3回の利下げ予想になっていたが、更に利下げ予想を高めるか否かが注目される。
(松井)