NY為替見通し=米雇用関連指標を見極めつつ、NY株式・債券市場の動向に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、引き続きトランプ米大統領の突発的な発言に警戒しつつ、明日発表の5月雇用統計に向けて米国の雇用関連指標を見極めながら、NY株式・債券市場の動向を注視していく展開が予想される。

 5月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)、前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数では、5月の雇用情勢を確認しながら、明日の5月の非農業部門雇用者数(予想:前月比+12.5万人)との整合性を見極めることになる。

 5月ISM製造業雇用指数は46.8で、4月の46.5から改善し、ISM非製造業雇用指数は50.7で、4月の49.0から改善していた。一方で、5月消費者信頼感指数での労働市場格差は、13.2で4月の13.7から悪化しており、5月全米雇用報告も前月比+3.7万人と、23年3月以来、2年2カ月ぶりの低い伸び率だった。

 また、4月米貿易収支(予想:700億ドルの赤字)では、トランプ米政権と日本、欧州連合(EU)、そして中国との通商交渉が続いていることで、それぞれの国、地域に対する貿易赤字の増減を確認しておきたい。

 欧州中央銀行(ECB)定例理事会では、政策金利が0.25%引き下げられることが見込まれており、注目ポイントは、声明文やラガルドECB総裁の会見での次回の利下げに関する言及となる。
 市場の見方では、9月にも0.25%引き下げられ、トランプ関税次第では、年末に向けてさらなる利下げが予想されている。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、144.18円(日足一目均衡表・雲の下限)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、142.12円 (5/27 安値)


(山下)
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