NY為替見通し=ドル円、中東情勢に睨みつつFOMCの見極め

 本日これまでのドル円は東京の朝方に145.44円まで上昇したが、11日の高値145.46円を前に伸び悩み、145円を挟んでの動きとなっている。144円後半で下げ渋り底堅い動きも、先週同様に145円台での売り圧力も強い。

 中東の緊迫化を背景とした「有事のドル買い」がドル円の支えとなっている。また、昨日に日銀の金融政策イベントを通過し、追加利上げの気運が高まっていないことも円高圧力を弱め、ドル円の下値は堅い。ただ、足もとのドルに「有事のドル買い」を除けば買い材料は乏しい。トランプ関税、トランプ政権の大型減税案などを背景としたドルの重い地合いは変わっていない。よって、足もとのドル円は神経質な動きも方向感は出にくい。米関税政策を巡る貿易戦争に中東地域の緊迫化が加わり、経済・物価の不透明感が世界的に強まっている。

 ドル円は引き続き中東関連のヘッドラインに注目しつつ、視線は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見に向けられそうだ。中東情勢を巡っては米国がイスラエルのイラン攻撃に加わるとの観測が再燃している。トランプ米大統領はイランに「無条件降伏」を要求し、米国の忍耐は限界に近づいていると警告した。トランプ米政権の圧力にイランの出方が注目される。

 今回のFOMCでは4会合連続となる政策金利据え置きを決めると広く予想されている。また、トランプ政権による一連の政策変更が経済に及ぼす影響をもっと見極める必要があるとあらためて指摘する見通しだ。見通しを巡る高度の不確実性を背景に、市場は最新の四半期経済予測の景気・金利予想に注目が集まっている。当局者は引き続き年内2回の利下げ見通しを示す可能性がある一方、金利予測分布図(ドット・プロット)で示される利下げ回数が中央値で今年は1回だけに減る可能性があるとの見方も出ている。

・想定レンジ上限
 ドル円、日足一目均衡表・雲の上限145.55円近辺や5月29日高値146.28円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、日足一目均衡表・転換線144.13円近辺や16日安値143.65円が下値めど。

(金)
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