ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、小安い

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小安い。24時時点では138.56円と22時時点(138.57円)と比べて1銭程度のドル安水準だった。23時30分過ぎに一時138.39円と日通し安値を更新した。21時30分発表の6月米小売売上高は前月比1.0%増と予想の0.8%増を上回ったものの、前日にウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が指摘した「予想よりも大幅に強い数字」ではなかったとの見方から、市場で台頭していた今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での1%利上げ観測が後退。また、23時発表の米ミシガン大学が発表した7月消費者態度指数(速報値)は51.1と予想の49.9を上回ったものの、注目度が高い期待インフレ率は前月から鈍化し、予想を下回った。これも米金融引き締め加速への過度な警戒感の緩和につながり、米金利の低下とドル売りを誘った。
 なお、FOMCで投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、「政策金利を年末までに3.75%から4%にする必要がある」と述べ、前回発言時の3.50%から上方修正したほか、「ドル高は米国のインフレ率低下を意味する」と指摘し、ドル高を容認する姿勢を示した。また、今月の会合で予想される利上げ幅について「1%または0.75%にそれほど大きな違いはない」との考えを示した。

 ユーロドルはじり高。24時時点では1.0080ドルと22時時点(1.0072ドル)と比べて0.0008ドル程度のユーロ高水準だった。23時30分過ぎに一時1.0088ドルと日通し高値を更新した。この日発表の米経済指標などを手掛かりに、インフレ高進に伴う米金融引き締め加速への警戒が和らいだ。

 ユーロ円は強含み。24時時点では139.68円と22時時点(139.58円)と比べて10銭程度のユーロ高水準。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いがじわりと強まった。前日の高値139.77円を上抜けて一時139.83円まで値を上げた。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:138.39円 - 139.13円
ユーロドル:1.0007ドル - 1.0088ドル
ユーロ円:138.75円 - 139.83円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。