ニューヨーク外国為替市場概況・22日 ドル円、続落

 22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は136.12円と前営業日NY終値(137.36円)と比べて1円24銭程度のドル安水準だった。7月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値は製造業こそ予想をわずかに上回ったものの、総合とサービス部門はともに予想を大きく下回り、好不況の分かれ目とされる50を割り込んだ。米景況感の大幅悪化で景気後退への懸念が高まると、米10年債利回りが一時2.7286%前後と約2カ月ぶりの低水準まで急低下。幅広い通貨に対してドル売りが強まり、23時30分前に一時135.57円と8日以来2週間ぶりの安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米10年債利回りが2.80%台まで低下幅を縮めたことでドル買い戻しが入ったほか、一目均衡表基準線が位置する135.78円がサポートとして意識されたため、136.28円付近まで下げ幅を縮める場面があった。

 ユーロドルは小反落。終値は1.0213ドルと前営業日NY終値(1.0230ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の大幅低下や低調な米経済指標をきっかけに全般ドル売りが先行すると、一時1.0255ドルと日通し高値を付けたものの、その後上値が重くなった。ドラギ伊首相の辞任表明を受けて伊政局不安が高まっているうえ、欧州中央銀行(ECB)が前日に発表したユーロ圏国債市場の分断化を防ぐ債券購入プログラム「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」が「力不足」との懐疑的な見方も浮上しており、ユーロの上値を抑えた。欧州時間発表のドイツとフランスの7月PMI速報値が軒並み予想を下回ったことも引き続き意識された。
 なお、ラガルドECB総裁は独紙とのインタビューで「インフレ率が目標の2%に回帰するまで利上げを継続する」と表明したものの、目立った反応は見られなかった。

 ユーロ円は3日続落。終値は139.00円と前営業日NY終値(140.52円)と比べて1円52銭程度のユーロ安水準。欧米の景気指標が悪化したことで世界的な景気後退への警戒感が強まると、ダウ平均が一時300ドル超下落。リスク・オフの円買いが優勢となり、4時前に一時138.78円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時163.01円、豪ドル円は94.05円、NZドル円は84.90円、カナダドル円は105.27円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:135.57円 - 137.96円
ユーロドル:1.0130ドル - 1.0255ドル
ユーロ円:138.78円 - 140.69円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。