NYマーケットダイジェスト・10日 CPI下振れで株高・ドル安
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=132.89円(前営業日比▲2.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.90円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0299ドル(△0.0086ドル)
ダウ工業株30種平均:33309.51ドル(△535.10ドル)
ナスダック総合株価指数:12854.80(△360.87)
10年物米国債利回り:2.78%(横ばい)
WTI原油先物9月限:1バレル=91.93ドル(△1.43ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1813.7ドル(△1.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反落。米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%上昇と予想の8.7%上昇を下回り、約40年ぶりの伸びを記録した6月の9.1%上昇から鈍化。前月比でも横ばいと予想の0.2%上昇を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数も予想より弱い数字となった。米国のインフレがピークアウトしたとの見方が広がると、米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げ観測が後退し、幅広い通貨に対してドル売りが強まった。23時30分過ぎに一時132.03円まで急落した。
ただ、エバンス米シカゴ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言が伝わると、米10年債利回りが上昇に転じ、ドル円にも買い戻しが入った。3時30分過ぎには133.07円付近まで下げ渋る場面があった。
米CPIの結果を受けて、エバンス氏は「インフレに関して初めてのポジティブな数値となった」としながらも、「インフレは容認できないほど高い」「FF金利を年末までに3.25-3.50%、来年末までに3.75-4.00%に引き上げる可能性がある」などと発言。
また、カシュカリ氏も「この結果を歓迎すべき」としながらも、「インフレへの勝利宣言には程遠い」として「FF金利を年末までに3.9%、来年末までに4.4%まで引き上げる必要がある」との考えを示した。来年初めに利下げを見込む市場の観測については「現実的ではない」との見方を改めて示した。
・ユーロドルは3日続伸。米CPIの下振れをきっかけに米金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行。24時過ぎに一時1.0368ドルと日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利が上昇に転じると徐々に上値が重くなり、4時30分前には1.0295ドル付近まで下押しした。
なお、米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は「FRBはインフレ減速のさらなる証拠を求めている可能性が高い」と指摘し、「今後のデータで物価圧力が緩和されていることが確認されれば、FRBは9月に0.50%の利上げを実施する可能性があるものの、0.75%利上げの可能性は依然としてある」との考えを示した。
・ユーロ円は7日ぶりに反落。21時前に一時138.40円と本日高値を付けたものの、米インフレ指標の結果を受けてドル円が急落するとユーロ円にも売りが波及。23時30分過ぎに一時136.62円と本日安値を付けた。ただ、そのあとは137.00円を挟んだもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し5月4日以来約3カ月ぶりの高値となった。7月米CPIの下振れでインフレ懸念が和らぐと、FRBの急激な利上げ観測が後退し、ハイテク株中心に買いが集まった。指数は一時590ドル超上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに大幅反発し、5月4日以来約3カ月ぶりの高値で取引を終えた。6月に付けた年初来安値から20%上昇して引けた。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。予想を下回る7月米CPIをきっかけに債券買いが先行したものの、そのあとは一転売りが優勢となり値を消した。米国株の上昇に伴う売りが出たほか、FRB高官のタカ派的な発言が相場の重しとなった。
・原油先物相場は反発。露国営パイプライン企業が停止していた東欧向け原油供給について、再開されることが報じられた。供給ひっ迫懸念が後退して売り先行も、先週末から下げ止まっている87ドル台では支えられた。EIA石油在庫統計に対しては、原油積み増しよりもガソリンの大幅取り崩しが材料視されて買い戻しが優勢に。エバンズ米シカゴ連銀総裁の発言「経済は下半期も成長を続けるだろう」にも後押しされ、一時92ドル台まで上値を伸ばした。
・金先物相場は小幅に3日続伸。米7月CPIが市場予想を下回り、米金利の低下を受けて為替ではドル売りが一気に進んだ。割安感が強まったドル建ての金も買いが集まり、約2カ月ぶりの高値を更新。もっとも堅調な米株が安全資産とされる金の重しとなってしまい、上げ幅を縮めて終えた。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=132.89円(前営業日比▲2.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.90円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0299ドル(△0.0086ドル)
ダウ工業株30種平均:33309.51ドル(△535.10ドル)
ナスダック総合株価指数:12854.80(△360.87)
10年物米国債利回り:2.78%(横ばい)
WTI原油先物9月限:1バレル=91.93ドル(△1.43ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1813.7ドル(△1.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反落。米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%上昇と予想の8.7%上昇を下回り、約40年ぶりの伸びを記録した6月の9.1%上昇から鈍化。前月比でも横ばいと予想の0.2%上昇を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数も予想より弱い数字となった。米国のインフレがピークアウトしたとの見方が広がると、米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げ観測が後退し、幅広い通貨に対してドル売りが強まった。23時30分過ぎに一時132.03円まで急落した。
ただ、エバンス米シカゴ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言が伝わると、米10年債利回りが上昇に転じ、ドル円にも買い戻しが入った。3時30分過ぎには133.07円付近まで下げ渋る場面があった。
米CPIの結果を受けて、エバンス氏は「インフレに関して初めてのポジティブな数値となった」としながらも、「インフレは容認できないほど高い」「FF金利を年末までに3.25-3.50%、来年末までに3.75-4.00%に引き上げる可能性がある」などと発言。
また、カシュカリ氏も「この結果を歓迎すべき」としながらも、「インフレへの勝利宣言には程遠い」として「FF金利を年末までに3.9%、来年末までに4.4%まで引き上げる必要がある」との考えを示した。来年初めに利下げを見込む市場の観測については「現実的ではない」との見方を改めて示した。
・ユーロドルは3日続伸。米CPIの下振れをきっかけに米金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行。24時過ぎに一時1.0368ドルと日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利が上昇に転じると徐々に上値が重くなり、4時30分前には1.0295ドル付近まで下押しした。
なお、米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は「FRBはインフレ減速のさらなる証拠を求めている可能性が高い」と指摘し、「今後のデータで物価圧力が緩和されていることが確認されれば、FRBは9月に0.50%の利上げを実施する可能性があるものの、0.75%利上げの可能性は依然としてある」との考えを示した。
・ユーロ円は7日ぶりに反落。21時前に一時138.40円と本日高値を付けたものの、米インフレ指標の結果を受けてドル円が急落するとユーロ円にも売りが波及。23時30分過ぎに一時136.62円と本日安値を付けた。ただ、そのあとは137.00円を挟んだもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し5月4日以来約3カ月ぶりの高値となった。7月米CPIの下振れでインフレ懸念が和らぐと、FRBの急激な利上げ観測が後退し、ハイテク株中心に買いが集まった。指数は一時590ドル超上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに大幅反発し、5月4日以来約3カ月ぶりの高値で取引を終えた。6月に付けた年初来安値から20%上昇して引けた。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。予想を下回る7月米CPIをきっかけに債券買いが先行したものの、そのあとは一転売りが優勢となり値を消した。米国株の上昇に伴う売りが出たほか、FRB高官のタカ派的な発言が相場の重しとなった。
・原油先物相場は反発。露国営パイプライン企業が停止していた東欧向け原油供給について、再開されることが報じられた。供給ひっ迫懸念が後退して売り先行も、先週末から下げ止まっている87ドル台では支えられた。EIA石油在庫統計に対しては、原油積み増しよりもガソリンの大幅取り崩しが材料視されて買い戻しが優勢に。エバンズ米シカゴ連銀総裁の発言「経済は下半期も成長を続けるだろう」にも後押しされ、一時92ドル台まで上値を伸ばした。
・金先物相場は小幅に3日続伸。米7月CPIが市場予想を下回り、米金利の低下を受けて為替ではドル売りが一気に進んだ。割安感が強まったドル建ての金も買いが集まり、約2カ月ぶりの高値を更新。もっとも堅調な米株が安全資産とされる金の重しとなってしまい、上げ幅を縮めて終えた。
(中村)