ニューヨーク外国為替市場概況・31日 ユーロドル、3日続伸

 31日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3日続伸。終値は1.0054ドルと前営業日NY終値(1.0015ドル)と比べて0.0039ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が前年比9.1%上昇と予想の9.0%上昇を上回り、過去最高を記録すると、来週8日の欧州中央銀行(ECB)理事会で通常の3倍にあたる0.75%の利上げが実施されるとの観測が高まりユーロ買いが優勢となった。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、前日の高値1.0055ドルを上抜けて一時1.0079ドルまで上値を伸ばした。
 ただ、26日の高値1.0090ドルがレジスタンスとして意識されるとやや伸び悩んだ。2時30分過ぎには1.0036ドル付近まで下押しした。

 ドル円は4日続伸。終値は138.96円と前営業日NY終値(138.79円)と比べて17銭程度のドル高水準だった。8月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が13.2万人増と予想の30.0万人増を下回ったことが伝わると一時138.45円付近まで値を下げたものの、下押しは限定的だった。
 米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が強まる中、米10年債利回りが一時3.1945%前後と6月28日以来約2カ月ぶりの高水準を更新。円売り・ドル買いがじわりと強まり、欧州時間の高値138.89円を上抜けて139.00円まで上値を伸ばした。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁はこの日、「インフレ沈静化のために2023年初めまでにFF金利を4%超の水準に引き上げて、その後しばらくは据え置く必要がある」と述べ、「23年中の利下げはない」との予想を明確に示した。

 ユーロ円も4日続伸。終値は139.70円と前営業日NY終値(138.99円)と比べて71銭程度のユーロ高水準。ユーロ圏インフレ率が過去最高を記録したことで、ECBの大幅利上げ観測が高まると全般ユーロ買いが進行。取引終盤はドル円の上昇につれた買いが入り、一時139.73円と7月26日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
 ユーロ円以外のユーロクロスも堅調だった。ユーロ豪ドルは1.4697豪ドル、ユーロNZドルは1.6440NZドル、ユーロポンドは0.8654ポンド、ユーロカナダドルは1.3207カナダドル、ユーロスイスフランは0.9835スイスフランまで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:138.27円 - 139.00円
ユーロドル:0.9972ドル - 1.0079ドル
ユーロ円:138.27円 - 139.73円

(中村)
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