ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ユーロドル、続伸

 30日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0015ドルと前営業日NY終値(0.9997ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ高水準だった。8月米消費者信頼感指数が103.2と予想の97.9を大幅に上回ったことが伝わると、米10年債利回りが一時3.1493%前後と6月29日以来約2カ月ぶりの高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、一時0.9983ドル付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値0.9982ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)による大幅利上げ観測の高まりを背景に、ドル以外の通貨に対してはユーロ買いが強まった影響も受けた。
 ユーロポンドは一時0.8604ポンド、ユーロ豪ドルは1.4632豪ドル、ユーロNZドルは1.6353NZドル、ユーロカナダドルは1.3140カナダドル、ユーロスイスフランは0.9773スイスフランまで上昇した。なお、一部のECB政策委員会メンバーからは「記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき」との声が上がっている。

 ドル円は小幅ながら3日続伸。終値は138.79円と前営業日NY終値(138.72円)と比べて7銭程度のドル高水準だった。6月米ケース・シラー住宅価格指数や6月米住宅価格指数など住宅関連の指標が予想を下回ると伸び悩む場面もあったが、その後発表の米消費者信頼感指数が予想を上回ったことが分かると米金利の上昇とともにドル買いが進んだ。アジア時間の高値138.78円を上抜けて、一時139.07円まで上値を伸ばした。
 ただ、7月14日に付けた1998年9月以来の高値139.39円がレジスタンスとして意識されると上昇が一服。3時30分過ぎには138.61円付近まで下押しした。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)執行部の1人であるウィリアムズNY連銀総裁はこの日、「インフレは依然として高過ぎる」と述べ、金融引き締め姿勢を来年まで継続する姿勢を示した。

 ユーロ円は3日続伸。終値は138.99円と前営業日NY終値(138.69円)と比べて30銭程度程度のユーロ高水準。ECBによる大幅利上げ観測の高まりを背景に全般ユーロ買いが強まると、一時139.22円と7月28日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。

 カナダドルは軟調だった。WTI原油先物価格が一時6%超下落すると、産油国通貨であるカナダドルに売りが集まった。対米ドルでは一時1.3108カナダドル、対円では105.80円までカナダドル安に振れた。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも軟調。対ドルで20.2082ペソ、対円で6.86円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:138.05円 - 139.07円
ユーロドル:0.9982ドル - 1.0055ドル
ユーロ円:138.26円 - 139.22円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。