株式明日の戦略-伸び悩んでも4日続伸、米CPIを波乱なく消化できるか

 13日の日経平均は4日続伸。終値は72円高の28614円。米国株高を受けて、上昇スタート。ただ、本日米国で注目の8月消費者物価指数(CPI)の発表を控えていたこともあり、場中の動意は限られた。序盤で瞬間的に下げた後はマイナス圏に沈むことはなかったが、上げ幅を3桁に広げてくると上値が重くなった。開始1時間弱で高値と安値をつけた後はこう着感が強まったが、終盤にかけての動きが良く、28600円台に乗せて高値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3600億円。業種別ではその他製品、陸運、空運などが上昇した一方、輸送用機器、精密機器、保険などが下落した。3Q決算で主力の婚礼事業の回復が確認できたアイ・ケイ・ケイホールディングス<2198.T>が急伸。反面、8月度の月次が失望材料となったMonotaRO<3064.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1008/値下がり735。新作ゲーム「スプラトゥーン3」の販売好調を材料に任天堂が5.5%高。全市場で売買代金トップと注目を一手に集めた。川崎汽船や商船三井など海運株が堅調。インバウンド関連の物色が続き、JR東日本やJR東海など鉄道株が買いを集めた。「iPhone14」への期待から米国でアップルが買われたことを手がかりに電子部品株が賑わっており、TDKが3%を超える上昇。3Q決算が好感された神戸物産が大幅高となった。

 一方、ドル高(円安)に一服感が出てきたことから、マツダ、SUBARU、三菱自動車など自動車株が軒並み安。第一生命や東京海上など保険株に売られるものが多かった。1Qが大幅な減益となったフィットが急落。今期の大幅減益計画や株主優待廃止を発表したシーアールイーが13%安と大きく崩れた。

 本日グロースに新規上場したジャパニアスは高い初値をつけた後も買いを集め、終盤に値を飛ばして高値引けとなった

 日経平均は4日続伸。米8月CPIの発表を前に凪(なぎ)のような1日ではあったが、伸び悩んでも売りは急がれず、むしろ引けにかけて強含む動きも見られた。今晩のCPIの内容と、それを受けた米国株の反応が大きく注目される。日本株からすれば、上昇にしても下落にしても米国株の値動きが落ち着いてくれた方が良い。東京市場は来週月曜19日が休場。FOMCは20日~21日に開催される。そのため、このタイミングで米国株の動きが荒くなってしまうと、下ならリスク回避、上なら上昇ピッチの速さを警戒した利益確定で、どちらにしても売りが急がれる可能性がある。9月のFOMCでは0.75%の利上げが濃厚で、良くも悪くも今回のCPIの結果がFRBの判断を大きく変えることはなさそう。今回のCPIが相場をかく乱しなければ、翌週のFOMCに対する警戒も和らぐ。今は派手な上昇は必要なく、着実に足場を固めておきたい局面。注目の指標を日米で波乱なく消化できるかに注目したい。
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