ニューヨーク外国為替市場概況・26日 ドル円、続伸

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は144.75円と前営業日NY終値(143.31円)と比べて1円44銭程度のドル高水準だった。政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強いうえ、ポンドやユーロに対してドル売りが先行すると143.80円付近まで下押しした。
 ただ、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出ると底堅く推移した。3時30分過ぎには一時144.79円と日通し高値を更新した。低調な米2年債入札の結果を受けて、米10年債利回りが2010年4月以来の高水準となる3.92%台まで上昇したこともドル買いを促した。

 ポンドドルは戻りが鈍かった。東京市場で一時1.0350ドルと史上最安値を付けた反動でショートカバーが先行したほか、「イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は市場環境について声明を発表する」との報道を受けて買い戻しが強まった。22時前には1.0931ドルと日通し高値を付けた。市場では「BOEが緊急利上げに踏み切る」との思惑も台頭していた。
 ただ、ベイリーBOE総裁が「金融市場の動向を非常に注意深く監視している」「新たな経済対策がインフレ動向に与える影響やポンド相場の下落について、次回MPC(11月3日)で検証する」「中期的にインフレ率を2%の目標に戻すために、必要に応じて金利を変更することを躊躇しない」との臨時の声明を発表すると、1.0632ドル付近まで失速した。市場が期待していた緊急利上げなどがなかったため失望売りが出た。

 ユーロドルは続落。終値は0.9609ドルと前営業日NY終値(0.9687ドル)と比べて0.0078ドル程度のユーロ安水準だった。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化が、ユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いだった。米金利の上昇に伴うドル買いも入り、3時過ぎには0.9600ドル付近まで下押しした。
 25日投開票のイタリア総選挙では、右派政党を中心とする勢力が上下両院で過半数の議席を獲得する見通しとなり、欧州連動(EU)に批判的な政権が発足する可能性が高まった。EUの結束に影響を与えかねないとの懸念も出ており、ユーロの重しとなった面がある。

 ユーロ円は6営業日ぶりに小反発。終値は139.09円と前営業日NY終値(138.93円)と比べて16銭程度のユーロ高水準。20時30分前に一時138.80円付近まで売られたものの、23時30分前には139.52円と日通し高値を付けた。そのあとは139.00円を挟んだもみ合いに終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:143.27円 - 144.79円
ユーロドル:0.9554ドル - 0.9710ドル
ユーロ円:137.40円 - 139.52円

(中村)
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