ニューヨーク外国為替市場概況・22日 ドル円、4日ぶり反落

 22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は142.39円と前営業日NY終値(144.06円)と比べて1円67銭程度のドル安水準だった。日銀が大規模金融緩和の継続を決めたことで、日本時間夕刻に一時145.90円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入をきっかけに急落した。NY市場序盤には一時140.36円まで値を下げた。
 ただ、米10年債利回りが3.7138%前後と2011年2月以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いがじわりと強まり、142.50円付近まで下げ幅を縮めた。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛だった。
 なお、岸田首相は訪問先のNYで会見し、「為替は安定的に推移することが重要」「1年で30円以上の円安は過去にない」と述べ、「為替の過度な変動には断固として必要な対応を取りたい」と強調した。
 また、米財務省は「日本が為替市場への介入を実施したことを確認」「このところ高まっている円のボラティリティーを下げることを目的とした行動だったと理解している」として、容認する姿勢を示した。協調介入については否定した。

 ユーロドルはほぼ横ばい。終値は0.9836ドルと前営業日NY終値(0.9837ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ安水準だった。米金利の上昇を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。9月ユーロ圏消費者信頼感指数速報値が▲28.8と予想の▲25.8を下回り過去最低を記録したことも相場の重しとなり、一時0.9812ドル付近まで下押しした。市場では「ウクライナ情勢を巡り、ロシアが一段の強硬姿勢を取るとの警戒感もユーロの重し」との指摘があった。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値0.9809ドルが目先サポートとして働くと0.9852ドル付近まで持ち直した。

 ユーロ円は4日続落。終値は140.08円と前営業日NY終値(141.79円)と比べて1円71銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時143.70円と本日高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入をきっかけに急落した。22時前には一時138.71円と本日安値を付けた。売り一巡後は140.24円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:140.36円 - 145.90円
ユーロドル:0.9809ドル - 0.9907ドル
ユーロ円:138.71円 - 143.70円

(中村)
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