ニューヨーク外国為替市場概況・28日 ユーロドル、4日ぶり反発

 28日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反発。終値は0.9735ドルと前営業日NY終値(0.9594ドル)と比べて0.0141ドル程度のユーロ高水準だった。英中銀(BOE)はこの日、英国債相場の急落を受けて「本日から市場安定を確保するため英国債の一時的な買い入れを実施する」「10月初旬から予定していた国債の市場売却を同月末に延期する」と表明。英国債の急騰(金利は急低下)を受けて、米長期金利も急低下したためドルを売る動きが優勢となった。米国株相場が大幅に反発したことで、リスク・オフの巻き戻しが進んだ面もあり、4時前には0.9751ドルと日通し高値を更新した。

 ドル円は4日ぶりに反落。終値は144.16円と前営業日NY終値(144.80円)と比べて64銭程度のドル安水準だった。BOEの臨時措置をきっかけに英国の長期金利が急低下。一時は4.0150%と2008年10月以来の高水準まで上昇していた米10年債利回りも3.69%台まで低下したため全般ドル売りが広がった。ダウ平均が670ドル超上昇すると投資家のリスク回避姿勢が後退し、ドル売りが加速。前日の安値144.06円を下抜けて一時143.91円まで下げ足を速めた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時112.56まで低下した。

 ユーロ円は反発。終値は140.35円と前営業日NY終値(138.91円)と比べて1円44銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出て一時140.40円まで値を上げた。

 カナダドルは堅調だった。ハリケーン「イアン」が石油生産施設のあるメキシコ湾近辺に上陸したことや原油在庫が取り崩しとなったことを受けて、WTI原油先物価格が大幅に上昇。産油国通貨であるカナダドルに買いが集まった。対米ドルでは一時1.3603カナダドル、対円では105.94円まで値を上げた。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも堅調。対ドルで20.1183ペソ、対円で7.16円までペソ高に振れた。

本日の参考レンジ
ドル円:143.91円 - 144.87円
ユーロドル:0.9536ドル - 0.9751ドル
ユーロ円:138.06円 - 140.40円

(中村)
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