ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ユーロドル、続伸

 29日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は0.9815ドルと前営業日NY終値(0.9735ドル)と比べて0.0080ドル程度のユーロ高水準だった。「ドイツ連立政権はガス価格の上限設定で合意」との報道が伝わるとユーロ買いが先行。月末・四半期末が接近する中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると、ユーロはポンド以外の通貨に対して上昇した。フィキシング通過後も堅調に推移し、取引終了間際に一時0.9816ドルと日通し高値を更新した。

 ポンドは全面高。対ドルでは一時1.1120ドル、対ユーロでは0.8819ポンド、対円では160.60円まで値を上げた。市場では「月末・四半期末を控える中、ポンド買いのフローが断続的に観測された」との指摘があった。

 ドル円は反発。終値は144.46円と前営業日NY終値(144.16円)と比べて30銭程度のドル高水準だった。22日の政府・日銀による円買い介入が行われた145円台が「防衛ライン」として意識される中、しばらくは144円台後半でのもみ合いが続いたが、NY勢が本格参入する時間帯に入ると徐々に上値が重くなった。ポンドやユーロに対してドル安が進んだ影響を受けたほか、米10年債利回りが一時3.71%台まで低下したことが相場の重しとなり144.26円付近まで下押しした。その後の戻りも144.64円付近にとどまった。
 なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)の迅速な利上げによりインフレを抑制することを望む」「市場は最新のドットプロットでメッセージを理解している」と述べたほか、「英国の情勢が米見通しに影響を及ぼすことはない」との見方を示した。

 ユーロ円は続伸。終値は141.81円と前営業日NY終値(140.35円)と比べて1円46銭程度のユーロ高水準。ポンド以外の通貨に対してユーロ買いが進んだ流れに沿って一時本日高値となる141.81円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:144.07円 - 144.80円
ユーロドル:0.9636ドル - 0.9816ドル
ユーロ円:139.44円 ‐ 141.81円

(中村)
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