ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ユーロドル、反発

 17日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。終値は0.9841ドルと前営業日NY終値(0.9722ドル)と比べて0.0119ドル程度のユーロ高水準だった。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、英金融市場の混乱が収束に向かうとの期待が高まり欧州株相場が上昇。米国株相場も堅調に推移したため、為替市場ではリスク・オンのドル売りが優勢となった。10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲9.1と予想の▲4.0を下回ったこともドル売りを促し、前週末の高値0.9808ドルを上抜けて一時0.9852ドルまで上値を伸ばした。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時111.92と日通し安値を付けた。

 ドル円は9日続伸。終値は149.04円と前営業日NY終値(148.67円)と比べて37銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢となった。前週末の高値148.86円を上抜けて一時149.08円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。
 ただ、欧米株価の上昇に伴うリスク・オンのドル売りも出たため、上昇のスピードは緩やかだった。

 ユーロ円は5日続伸。終値は146.65円と前営業日NY終値(144.62円)と比べて2円03銭程度のユーロ高水準。英財政規律を巡る市場の懸念が後退し欧州株相場が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが先行した。ダウ平均が一時670ドル超上昇すると円売りがさらに強まり、一時146.72円と2014年12月以来の高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時170.09円、豪ドル円は93.87円、NZドル円は84.01円、カナダドル円は108.68円、スイスフラン円は149.67円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:148.38円 - 149.08円
ユーロドル:0.9711ドル - 0.9852ドル
ユーロ円:144.23円 - 146.72円

(中村)
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