東京為替見通し=ドル円、米10月CPI待ちか

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。米10月米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、先週末から続いたドル売りに買い戻しが入り、146.80円まで強含んだ。ユーロドルは米株の軟調な動きを受けたリスクオフのドル買いも見られるなか4日ぶりに反落し、一時0.9993ドルまで下押した。ユーロ円は、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため方向感が出ず、147.10円を頭に146円半ばで取引を終えた。

 本日は今週のビックイベントである、米10月CPIに焦点が集まっている。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅を縮小する意向を示した一方で、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が従来の予想を上回るとの見通しが示された。12月FOMCへの明確な示唆はなく、この先も「データ次第」の地合いが続くなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩和するためにはインフレ低下の明確な兆候が必要となり、米10月CPIに対する注目度は高い。

 9月FOMCではFFレート(フェデラル・ファンドレート)のターミナルレートは4%程度の見方だったが、先週のFOMC後にFFレートは2023年半ばに5.25%程度に引き上げられるとの見方が強まっている。先週のFOMC通過した後、米長期金利はおおむね高い水準を維持している。昨日はドルに買い戻しが入ったものの、先週のFOMCが決してハト派寄りとは言えず、米雇用統計の結果が良好だったにもかかわらずドル売りが見られるなど、ドル高に一服感も出ており、米CPI通過後にもドル相場は一波乱があるかも知れない。足もとで米利上げ見通しの強化自体がドル買いにつながっておらず、ドル高・円安に限界が見えた可能性もあり、CPI結果発表後の動きに注目したい。CPIが強い結果になったにも関わらず、ドル買いが盛り上がらなければ、ドル高の一旦終焉も念頭に置いた方が良さそうだ。

(金)
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