ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ユーロドル、続伸

 9日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0730ドルと前営業日NY終値(1.0644ドル)と比べて0.0086ドル程度のユーロ高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化への懸念が和らぐ中、全般ドル売りが先行。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンのドル売りも出た。
 米ニューヨーク連銀が発表した12月の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が5.0%と前回の5.2%から低下し、2021年7月以来の低水準を記録すると、米10年債利回りが3.50%台まで低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.0761ドルと昨年6月以来約7カ月ぶりの高値を付けた。

 ドル円は続落。終値は131.88円と前営業日NY終値(132.08円)と比べて20銭程度のドル安水準だった。欧州時間に一時132.66円と日通し高値を付けたものの、NY勢参入後は上値の重さが目立った。NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が21年7月以来の低水準を付けたことが分かると、米10年債利回りの低下とともにドル売りが優勢に。5時前には131.54円付近まで下押しした。

 ユーロ円は続伸。終値は141.53円と前営業日NY終値(140.58円)と比べて95銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たほか、株高に伴うリスク・オンの円売りが出ると、一時141.92円と日通し高値を更新した。
 ただ、NY午後は伸び悩んだ。ドル円の下落につれた売りが出たほか、ダウ平均の失速などが相場の重しとなった。

 ブラジルレアルは軟調だった。対ドルでは一時5.30レアル台まで下落したほか、対円では24.84円付近まで値を下げた。ブラジルでは8日、大統領選の結果を不満とするボルソナロ前大統領の支持者らが議会や大統領府などを襲撃する事件が発生。政治リスクを警戒する売りが広がった。

本日の参考レンジ
ドル円:131.31円 - 132.66円
ユーロドル:1.0634ドル - 1.0761ドル
ユーロ円:140.17円 - 141.92円

(中村)
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