NYマーケットダイジェスト・2日 株高・金利上昇・ドル高

(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=136.77円(前営業日比△0.58円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.94円(▲0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0597ドル(▲0.0071ドル)
ダウ工業株30種平均:33003.57ドル(△341.73ドル)
ナスダック総合株価指数:11462.98(△83.50)
10年物米国債利回り:4.06%(△0.07%)
WTI原油先物4月限:1バレル=78.16ドル(△0.47ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1840.5ドル(▲4.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
10-12月期米非農業部門労働生産性改定値
前期比                1.7%       3.0%
前週分の米新規失業保険申請件数   19.0万件      19.2万件

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。10-12月期米単位労働コスト改定値が前期比年率3.2%と予想の1.6%を上回り、前週分の米新規失業保険申請件数が19.0万件と予想の19.5万件より強い内容だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。23時前に一時137.09円と昨年12月20日以来の高値を更新した。米10年債利回りは一時4.0893%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した。
 ただ、137円台では利食い売りや戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。市場では「200日移動平均線が位置する137.27円付近が重要なレジスタンスとして意識されている」との声も聞かれ、136.55円付近まで下押しした。
 タカ派とされるボスティック米アトランタ連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)による利上げの影響が本格的に発現するのは今春以降となる可能性がある」と述べたうえで、「この点が当面は0.25%の緩やかな利上げを行う根拠になる」と発言。市場では「21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.50%に拡大する」との観測が浮上していただけに、この発言がドルの重しとなった面もあるようだ。

・ユーロドルは反落。米労働市場の底堅さを示す指標が発表されると、FRBによる利上げが長期化するとの観測が改めて強まり、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。3時前に一時1.0577ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値1.0565ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。ボスティック総裁の発言で「今月のFOMCでの利上げ幅は警戒していたほど大きくならない」との見方が浮上したことも買い戻しを誘ったようだ。

・ユーロ円は反落。日本時間夕刻に一時145.57円と昨年12月20日以来の高値を付けたものの、同日の高値145.83円がレジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。ユーロドルの下落につれた売りも出て、一時144.77円と日通し安値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日に発表した決算と業績見通しが予想を上回ったセールスフォースが大幅高となり、相場を押し上げた。タカ派とされるボスティック米アトランタ連銀総裁が「21-22日のFOMCで、0.25%の利上げを支持する」と述べたことも買い安心感につながった。ダウ平均の上げ幅は420ドルを超える場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。米労働市場の底堅さを示す指標が発表されると、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。利回りは一時4.0893%前後と昨年11月10日以来約4カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は3日続伸。前日に発表された中国の2月PMIが予想以上に改善され、中国経済への期待感が一段と強まり、石油輸入大国である中国のエネルギー需要が回復するとの思惑が相場の支えとなった。ただ、FRBによる利上げ長期化による米景気鈍化への懸念も強く、上値は限られた。

・金先物相場は4日ぶり反落。米長期金利の上昇が止まらず、金利がつかない金に売り圧力を強めた。また、為替相場でドル高が進んだことや、米株が上昇したことも金の売りを後押した。

(中村)
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