ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、急落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は急落。24時時点では134.83円と22時時点(136.70円)と比べて1円87銭程度のドル安水準だった。2月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回った一方、失業率や平均時給が予想より弱い内容となったため、米金利の低下とともにドル売りが進んだ。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時28bpを超す大幅な低下となった。
 米シリコンバレー銀行(SVB)の持ち株会社であるSVBファイナンシャル・グループの株価は本日も下落。同社の財務健全性や銀行業界全般の流動性に対する懸念が高まる中、米国株相場が軟調に推移していることも相場の重しとなり、ドル円は一時134.35円まで大幅に下落した。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の2倍にあたる0.50%の利上げ確率が前日の68%近辺から28%近辺まで低下。0.25%の利上げを予想する確率は前日の約32%から約72%まで上昇した。

 ユーロドルは堅調。24時時点では1.0667ドルと22時時点(1.0594ドル)と比べて0.0073ドル程度のユーロ高水準だった。米雇用統計の結果を受けて、3月FOMCでの大幅利上げ観測が後退すると、全般ドル売りが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、24時過ぎに一時1.0687ドルと日通し高値を更新した。

 ユーロ円は頭が重い。24時時点では143.82円と22時時点(144.82円)と比べて1円程度のユーロ安水準。ドル円の下落や米国株相場の下落を背景に円買い・ユーロ売りが優勢となった。24時過ぎに一時143.55円と本日安値を更新した。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:134.35円 - 136.99円
ユーロドル:1.0574ドル - 1.0687ドル
ユーロ円:143.55円 - 145.10円


(中村)
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