ニューヨーク外国為替市場概況・2日 ドル円、4日ぶり反落

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は136.55円と前営業日NY終値(137.50円)と比べて95銭程度のドル安水準だった。3月米JOLTS求人件数が959.0万件と予想の977.5万件を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。米国株相場の下落に伴うリスク・オフの円買いも優勢となり、一時136.32円と日通し安値を付けた。市場では「米労働市場が冷え込み、米経済がリセッション入りするとの警戒感が再燃した」との声が聞かれた。
 なお、ダウ平均は米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から一時610ドル超下落した。米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の経営破綻を受けて、地方銀行株が総崩れ。KBW地方銀行株指数は4.4%下げた。

 ユーロドルは4日ぶりに反発。終値は1.0999ドルと前営業日NY終値(1.0976ドル)と比べて0.0023ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)が発表した4月のユーロ圏の銀行貸し出し調査では、企業への融資の信用基準厳格化や企業のローン需要の減少が示された。市場では「金融引き締め継続による需要減やインフレ鈍化の兆しが表れ始めている」との見方が広がり、ECBの大幅利上げ継続観測が後退した。23時前には一時1.0942ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、低調な米経済指標を受けて米長期金利が大幅に低下するとユーロ買い・ドル売りが優勢に。アジア時間の高値1.1007ドルをわずかに上抜けて、5時前に一時1.1008ドルと日通し高値を更新した。

 ユーロ円は5日ぶりに反落。終値は150.21円と前営業日NY終値(150.96円)と比べて75銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時151.61円と2008年9月以来約14年8カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後はさえない展開に。欧米株価が軟調に推移したことでリスク・オフの円買いが優勢となり、一時149.84円と日通し安値を更新した。
 豪ドル円も頭が重かった。豪準備銀行(RBA)が予想外の利上げに踏み切ったことを受けて一時92.44円と2月22日以来の高値を付けたものの、株安に伴うリスク回避の円買いが優勢になると90.86円の本日安値まで下落した。WTI原油先物価格が5%超急落したことも相場の重し。

本日の参考レンジ
ドル円:136.32円 - 137.77円
ユーロドル:1.0942ドル - 1.1008ドル
ユーロ円:149.84円 - 151.61円

(中村)
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