ロンドン為替見通し＝米連邦公開市場委員会（FOMC）声明控えて動意に乏しい展開か

　本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会（FOMC）声明を控えて動意に乏しい展開か予想される。

　FOMCでは、10回目の利上げが決定され、FF金利誘導目標が5.00-25％に引き上げられ、年末まで維持されることが見込まれている。
　しかしながら、米国地銀の経営不安を受けて、ホワイトハウスから「FRBの利上げが銀行業界に悪影響を与えている」との牽制発言も聞かれており、予断を許さない状況となっている。
　昨日のユーロドルは、欧州中央銀行（ECB）の銀行融資調査でユーロ圏の銀行が1-3月（第1四半期）に予想以上に融資を抑制したことが判明し、ECBの利上げペースが減速する可能性が高まったことで軟調に推移した。

　2020年6月、ECBは、新型コロナウイルスのパンデミックによる流動性逼迫を緩和するため、期間3年の「貸出条件付き長期資金供給オペ（TLTRO）」を導入した。そして、来月の6月28日に返済期限が到来するため、金融機関は、マイナス1％程度で借り入れていた5490億ユーロをECBに返済する予定となっている。3月14日に、デギンドスECB副総裁は欧州連合（EU）財務担当相に対して、「域内の一部の銀行は金利上昇に対して脆弱な恐れがある」と報告しており、ユーロ圏の金融システムへの警戒感がユーロの上値を抑えつつある。


想定レンジ上限
・ユーロドル：1.1095ドル（4/26高値）
・ユーロ円：151.61円（5/2高値）

想定レンジ下限
・ユーロドル：1.0942ドル（日足一目均衡表・基準線）
・ユーロ円：148.95円（日足一目均衡表・転換線）


（山下）