東京為替見通し=動きづらい展開か、明朝3時にはFOMC声明

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は132.63円まで上昇した。イエレン米財務長官が金融システム不安の拡大を防ぐために断固とした対応を取る姿勢を示し、米金融システム不安への警戒が後退した。ユーロドルは欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が後退し、1.0788ドルまで上値を伸ばした。ユーロ円は、欧米の株価指数の上昇を受けて、142.79円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエルFRB議長の会見を控えて動きづらい展開が予想される。

 ドル円は、イエレン米財務長官が、預金者保護のために断固たる強力な措置を繰り返し講じ得ると表明したこと、FOMCでの0.25%の利上げが確実視されつつあることで132円台で堅調に推移している。

 CMEのFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、0.25%の利上げ確率が8割強、据え置き確率が2割弱。しかしながら、年末のFF金利誘導目標は4.25-50%と示唆されている。

 昨年12月のFOMCでのドット・プロット(金利予測分布図)では、2023年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)を5.10%(※FF金利誘導目標5.00-25%)と予想していた。パウエルFRB議長は、今年2月のFOMC後の会見で、年内の利下げの可能性は想定していないとの考えを示し、今月7日の議会証言では、利上げペース加速の用意があると述べ、0.50%の利上げの可能性を示唆していた。

     【フェドウオッチ】     【12月FOMCのドット・プロット】
・3月22日:4.75-5.00%(+0.25%引き上げ)4.75-5.00%(+0.25%引き上げ)
・5月3日:5.00-25%(+0.25%引き上げ) 5.00-25%(+0.25%引き上げ)
・6月14日:5.00-25%(据え置き)    5.00-25%(据え置き)
・7月26日:4.75-5.00%(利下げ)    5.00-25%(据え置き)
・9月20日:4.50-75%(利下げ)     5.00-25%(据え置き)
・12月1日:4.50-75%(据え置き)    5.00-25%(据え置き)
・12月13日:4.25-50%(利下げ)    5.00-25%(据え置き)

 FOMC声明での注目ポイントは以下の通りとなる。
 政策金利に関しては、0.25%の利上げか据え置きかが注目される。
 量的金融引締政策(QT)により、バランスシートは縮小傾向にあったが、先週は約3000億ドル増加して8兆6393億ドル(※3/15付け)となっており、保有資産の圧縮にブレーキがかかった。QTを継続した場合、先週からの連銀窓口貸出(ディスカウント・ウインドウ)や「バンク・ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)」による流動性の供給との整合性が問われることになる。




(山下)
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