東京為替見通し=ゴールデンウィークで明朝のFOMC声明待ちで動意に乏しい展開か
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、3月米JOLTS求人件数が959.0万件と予想の977.5万件を下回り、米長期金利の低下とともに136.32円まで反落した。ユーロドルはECBの大幅利上げ継続観測が後退したことで1.0942ドルまで下落後、低調な米経済指標を受けて米長期金利が大幅に低下したことで1.1008ドルまで反発した。ユーロ円も日本時間夕刻の高値151.61円から149.84円まで反落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場がゴールデンウィークで休場の中、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて、動意に乏しい展開が予想される。
昨日のドル円は、200日移動平均線(以下200日線)137.00円を上回る137.77円まで上昇したが、米地銀や労働市場への警戒感から米10年債利回りが低下したことで、200日線を下回って136円台まで反落した。前回の200日線超えは、3月8日のパウエルFRB議長の議会証言での0.50%の追加利上げ示唆を受けた137.91円までだったが、3月10日の全米16位のシリコンバレーバンクや12日の全米29位のシグネチャー・バンクの経営破綻を受けて200日線を下回った。
一目均衡表のテクニカル分析では、本日は132.74円で雲がねじれるため「変化日」となる可能性があることで警戒しておきたい。「変化日」とは、これまでの上昇トレンドが下落トレンドに変化する日柄であり、下落しなければ、上昇トレンドが加速する日となる。
米ドルのリスクシナリオとしては、6月1日が「Xデイ」とされた債務上限引き上げを巡るバイデン米政権と下院共和党との協議難航や、米国金融システム不安定化を巡る「今回は違う症候群」の台頭などを警戒しておくことになる。
FOMC声明では、米銀3行の経営破綻にも関わらず、3月のFOMCで予告された通りに、10回目の利上げでFF金利誘導目標が5.00-25%まで引き上げられ、年末まで維持されることが見込まれている。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は、これまでの利上げ継続路線から、高金利維持路線に転換して、インフレ抑制に取り組む政策に切り替えられることになる。FRBがインフレ指標として注視している3月のPCE総合価格指数は、昨年6月の前年比+6.8%から前年比+4.2%まで伸び率が鈍化していた。4%台で伸び率が鈍化しているインフレ率を、FF金利5.00-25%で抑えながら、インフレ目標2%の達成を目論むことになる。
一方でシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月FOMCから7月までは据え置き、そして9月は0.25%の利下げ確率が高まり、12月には4.25-50%へ引き下げられる確率が高くなっており、3月FOMCでのドット・プロットの5.00-25%とは0.75%の乖離となっている。
フェドウオッチとドット・プロット(金利予測分布図)は以下の通りとなっている
【フェドウオッチ】 【ドット・プロット】
・5月3日:5.00-25%(+0.25%引き上げ)5.00-25%(+0.25%引き上げ)
・6月14日:5.00-25%(据え置き) 5.00-25% (据え置き)
・7月26日:5.00-25%(据え置き) 5.00-25% (据え置き)
・9月20日:4.75-5.00%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
・11月1日:4.50-75%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
・12月13日:4.25-50%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
(山下)
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場がゴールデンウィークで休場の中、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて、動意に乏しい展開が予想される。
昨日のドル円は、200日移動平均線(以下200日線)137.00円を上回る137.77円まで上昇したが、米地銀や労働市場への警戒感から米10年債利回りが低下したことで、200日線を下回って136円台まで反落した。前回の200日線超えは、3月8日のパウエルFRB議長の議会証言での0.50%の追加利上げ示唆を受けた137.91円までだったが、3月10日の全米16位のシリコンバレーバンクや12日の全米29位のシグネチャー・バンクの経営破綻を受けて200日線を下回った。
一目均衡表のテクニカル分析では、本日は132.74円で雲がねじれるため「変化日」となる可能性があることで警戒しておきたい。「変化日」とは、これまでの上昇トレンドが下落トレンドに変化する日柄であり、下落しなければ、上昇トレンドが加速する日となる。
米ドルのリスクシナリオとしては、6月1日が「Xデイ」とされた債務上限引き上げを巡るバイデン米政権と下院共和党との協議難航や、米国金融システム不安定化を巡る「今回は違う症候群」の台頭などを警戒しておくことになる。
FOMC声明では、米銀3行の経営破綻にも関わらず、3月のFOMCで予告された通りに、10回目の利上げでFF金利誘導目標が5.00-25%まで引き上げられ、年末まで維持されることが見込まれている。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は、これまでの利上げ継続路線から、高金利維持路線に転換して、インフレ抑制に取り組む政策に切り替えられることになる。FRBがインフレ指標として注視している3月のPCE総合価格指数は、昨年6月の前年比+6.8%から前年比+4.2%まで伸び率が鈍化していた。4%台で伸び率が鈍化しているインフレ率を、FF金利5.00-25%で抑えながら、インフレ目標2%の達成を目論むことになる。
一方でシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月FOMCから7月までは据え置き、そして9月は0.25%の利下げ確率が高まり、12月には4.25-50%へ引き下げられる確率が高くなっており、3月FOMCでのドット・プロットの5.00-25%とは0.75%の乖離となっている。
フェドウオッチとドット・プロット(金利予測分布図)は以下の通りとなっている
【フェドウオッチ】 【ドット・プロット】
・5月3日:5.00-25%(+0.25%引き上げ)5.00-25%(+0.25%引き上げ)
・6月14日:5.00-25%(据え置き) 5.00-25% (据え置き)
・7月26日:5.00-25%(据え置き) 5.00-25% (据え置き)
・9月20日:4.75-5.00%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
・11月1日:4.50-75%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
・12月13日:4.25-50%(▲0.25%利下げ)5.00-25% (据え置き)
(山下)