NYマーケットダイジェスト・5日 株大幅反発・金利上昇・原油高・円安(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに大幅反発。良好な4月米雇用統計を受けて米景気悪化への過度な警戒が和らぐと買い戻しが優勢となった。今週に入り相場下落が続いていただけに、自律反発狙いの買いも入った。ブラード米セントルイス連銀総裁が「米金融当局が著しい景気低迷を招くことなくインフレ率を目標の2%に戻し、経済をソフトランディング(軟着陸)させることはなお可能」と述べたことも好感されて、指数は一時620ドル超上げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も5日ぶりに大幅反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。4月米雇用統計が予想を上回ったことを受けて、米景気悪化への過度な警戒が和らぐと債券売りが優勢となった。米国株の大幅上昇も相場の重し。

・原油先物相場は1週間ぶりに反発。4月米雇用統計の各指標が軒並み予想を上回ったことで、景況への懸念が後退。このところ米欧利上げによる景気圧迫がエネルギー需要を弱めるとして売られていた原油相場に巻き戻しの買いが入った。

・金先物相場は4日ぶりに大幅反落。4月米雇用統計の各指標が軒並み市場予想より強い結果となったことで、米金利上昇・ドル高が先行。ドル高でドル建て金価格の割高感が高まり、上値を重くした。米雇用回復・景況の底堅さを受けた株高によるリスクセンチメント改善で、対欧州通貨などでリスク回避のドル買いが弱まったことから、ほどなくドル相場は失速。しかし、その後も米金利は上昇の勢いを緩めつつも高水準を維持。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味後退が相場の動きを重くした。株高によるリスクセンチメントの改善は、リスク回避資産とされる金を購入する動機を弱める材料にもなった。

(中村)
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