東京為替見通し=ドル円、関税スタグフレーションへの警戒感から下値を探る展開か

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが一時4.1080%前後まで低下したことで149.10円まで下落後、「相互関税」の関税率の基本設定は10%とされたことで150.49円まで上昇した。しかし、日本の関税率は24%、中国は34%、EUは20%と主要国が軒並み高い税率だったことで149.25円付近まで下落した。ユーロドルは1.0924ドルまで上昇後、1.0811ドル付近まで反落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領による「相互関税」の発表を受けて、関税スタグフレーションへの警戒感が高まったことで、下値を探る展開が予想される。

 トランプ米大統領は、米国への全輸出国に最低10%の関税を賦課し、対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象に一段と高い関税率を適用すると表明した。

 中国に対する関税率は34%とされ、20%の関税に加えて54%となる。
 そして、欧州連合(EU)は20%、日本は24%、ベトナムは46%となる。
 また、先日発表されていた25%の自動車関税は、本日付けで発効することになる。

 ドル円は、相互関税の詳細を受けて、148円台まで続落しており、本日の東京市場でも、「暗黒の木曜日」の様相を呈し始めている日米株価指数の下落とともに下値を探る展開が予想される。

 植田日銀総裁は、先日の日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、海外発の不確実性への警戒感を示しながらも、「4月初めには通商政策の内容がある程度でてくる。次回の決定会合(4/30-5/1)ないし展望リポートの中である程度消化できる」と述べていた。植田日銀総裁にとって、日本に対する関税率24%が想定の範囲内ならば、7月の参議院選挙前の6月の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性が高まることになり、今後の発言には注目しておきたい。

 また、先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエルFRB議長の会見では、トランプ関税が「不確実性(uncertainty)」とされていたが、詳細が公表されたことで、利下げ時期が市場の予想通りに6月FOMCになるのか否か、今後のFRB高官の発言に注目することになる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)、7月FOMC(-0.25%=3.75-4.00%)、10月FOMC(-0.25%=3.50-75%)となっている。



(山下)
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