東京為替見通し=ドル円、上値が重い展開か 年度末の売買動向には要警戒
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は149.69円まで下落した。2月米個人消費支出(PCE)のコア指数の上昇によりインフレ圧力の根強さが確認されたほか、3月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ったことで米国株相場が下落。米長期金利も大幅に低下したことがドルの重しとなった。ユーロドルは、「米政権による関税の一部緩和を目指して欧州連合(EU)は譲歩可能な分野を洗い出す作業を進めている」との報道や米長期金利の大幅低下などから1.0845ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、月末、期末、年度末の実需玉の動向を見極めて行くことになるものの、日米株式市場の下落や米長期債利回りの低下により、上値が重い展開を予想する。
ドル円の年度末要因としては、決済によるドル買いと、レパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)などのドル売りなどが想定されるため、本日の仲値に向けた売り買い動向には注目しておきたい。
また、可能性は低いと思われるが、最悪のシナリオとして、2日の相互関税発動前の世界同時株安「ブラックマンデー」の可能性にも警戒しておきたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)、米消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者態度指数などは、トランプ関税による貿易摩擦の激化懸念により、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)への警戒感を示している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)、9月FOMC(-0.25%=3.75-4.00%)、12月FOMC(-0.25%=3.50-75%)となっている。
また、3月11日時点で過去最大規模の133902枚に膨れ上がっていたことで注目されていたIMMシカゴ筋の円の買い持ちポジションも、25日時点では125376枚と高水準のままであり、手仕舞いのタイミングには警戒しておきたい。円の買い持ちポジションは、ネガティブ・キャリートレードとなることで、日々コストを払い続けるため時間との闘いとなっており、おそらく4月2日の相互関税の発動日辺りが期限ではないかと思われる。
なおヘッジファンド勢は、ポジションの転換に移動平均線(50日・200日)を注視していると言われており、現状の水準は151.20-60円付近に位置している。
先週末に発表された3月の日銀金融政策決定会合の「主な意見」では、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく。」ことが確認された。一般的に「主な意見」は、総裁、副総裁という執行部の見解、すなわち、委員会のコンセンサスが最初にあり、コンセンサスに応じた委員の見解の順となっている。
市場の話題になっていたのは、8番目の「不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく、今後の状況によっては、『果断』に対応すべき場面もありうる。」というタカ派的な見解だった。今後の日銀当局者の講演、発言などから、果断なタカ派委員を探っていきたい。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、月末、期末、年度末の実需玉の動向を見極めて行くことになるものの、日米株式市場の下落や米長期債利回りの低下により、上値が重い展開を予想する。
ドル円の年度末要因としては、決済によるドル買いと、レパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)などのドル売りなどが想定されるため、本日の仲値に向けた売り買い動向には注目しておきたい。
また、可能性は低いと思われるが、最悪のシナリオとして、2日の相互関税発動前の世界同時株安「ブラックマンデー」の可能性にも警戒しておきたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)、米消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者態度指数などは、トランプ関税による貿易摩擦の激化懸念により、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)への警戒感を示している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)、9月FOMC(-0.25%=3.75-4.00%)、12月FOMC(-0.25%=3.50-75%)となっている。
また、3月11日時点で過去最大規模の133902枚に膨れ上がっていたことで注目されていたIMMシカゴ筋の円の買い持ちポジションも、25日時点では125376枚と高水準のままであり、手仕舞いのタイミングには警戒しておきたい。円の買い持ちポジションは、ネガティブ・キャリートレードとなることで、日々コストを払い続けるため時間との闘いとなっており、おそらく4月2日の相互関税の発動日辺りが期限ではないかと思われる。
なおヘッジファンド勢は、ポジションの転換に移動平均線(50日・200日)を注視していると言われており、現状の水準は151.20-60円付近に位置している。
先週末に発表された3月の日銀金融政策決定会合の「主な意見」では、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく。」ことが確認された。一般的に「主な意見」は、総裁、副総裁という執行部の見解、すなわち、委員会のコンセンサスが最初にあり、コンセンサスに応じた委員の見解の順となっている。
市場の話題になっていたのは、8番目の「不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく、今後の状況によっては、『果断』に対応すべき場面もありうる。」というタカ派的な見解だった。今後の日銀当局者の講演、発言などから、果断なタカ派委員を探っていきたい。
(山下)