欧州マーケットダイジェスト・16日 株安・金利上昇・ドル高

(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.25円(16日15時時点比△1.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.76円(△1.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0871ドル(▲0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8438.65(前営業日比▲7.15)
ドイツ株式指数(DAX):18738.81(▲130.55)
10年物英国債利回り:4.079%(△0.013%)
10年物独国債利回り:2.460%(△0.038%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1-3月期ノルウェー国内総生産(GDP)
前期比                0.2%      1.6%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。複数の欧州中央銀行(ECB)高官が6月に利下げを開始する可能性に言及したことを受けてユーロ売り・ドル買いが優勢となった。この日発表の5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米住宅着工件数、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となったものの、4月米輸入物価指数が予想を上回るとドル買い戻しが加速。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、23時過ぎに一時1.0854ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、米労働省が15日発表した4月消費者物価指数(CPI)の伸びが前月から鈍化したことで、米金利の先高観が弱まっており、ユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。1時前には1.0876ドル付近まで下げ渋る場面があった。

・ドル円は底堅い動き。前日発表の米CPIの結果を受けて米インフレが再加速するとの懸念は薄れているものの、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると一時155.53円と日通し高値を更新した。政府・日銀による為替介入への警戒が後退する中、日米金利差を背景にした円売り・ドル買いが出やすい面もあった。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「CPIはまだFRBが目指す目標には達していない」「我々は正しい道を進んでいるものの、もう少し時間がかかりそうだ」などと述べたほか、同じく投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁は「政策金利を現在の水準で維持することが、なお高水準で推移するインフレ率を目標の2%に戻すことにつながる」と語った。

・ユーロ円は堅調。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時168.90円と本日高値を更新した。イエレン米財務長官の発言で為替介入への警戒が後退する中、全般円売りが出やすい面もあった。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時196.91円、豪ドル円は103.76円、NZドル円は95.06円、カナダドル円は114.13円、スイスフラン円は171.77円、メキシコペソ円は9.32円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが出た。半面、英中銀(BOE)が早期利下げに踏み切るとの観測を背景に買いも入りやすく下値は限定的だった。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが優勢となった。個別ではシーメンス(6.77%安)やBMW(6.26%安)、ザルトリウス(5.22%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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