予想とまとめ

週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBAの金融政策に注目
2025/03/29 03:45
◆豪ドル、RBAの金融政策に注目
◆豪ドル、豪政府はインフレ目標への到達予想を前倒し
◆ZAR、米相互関税が下押しリスクに

予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.90-8.40円

3月31日週の展望
 豪ドルは神経質な動きが予想される。注目は3月31日-4月1日の日程で開催される豪準備銀行(RBA)の金融政策理事会。市場では現行の4.10%で据え置きとの予想が中心で、声明文でインフレ見通しや金融政策に対する見解に変化が見られるかが焦点となりそうだ。

 今週に公表された物価関連データはRBAの追加緩和への思惑を高める内容だった。25日には豪政府が物価高対策を含めた予算案を発表。予算案の中でコアインフレ率は今年の7月までにRBAのインフレ目標(2-3%)に到達するとの予測が示され、以前の予測から6カ月ほど目標内への到達時期が前倒しされた。また、2月の豪消費者物価指数・コア指数はいずれも市場予想を下回り、こちらもインフレ鈍化を意識させる結果となった。

 もっとも、市場では次回会合でRBAが追加利下げに動くとの予想は少数で、次回の利下げは早くても5月以降の会合になるとの見方が優勢だ。CPIについてはRBAが従来から単月のデータよりも四半期のデータを重要視しており、4月30日に公表が予定されている1-3月期CPIを待つ必要があるだろう。また、インフレ目標への到達についても、ブロックRBA総裁は「再度の利下げを検討する前にインフレ率が目標範囲内に持続的にとどまっている兆候を確認したい」「目標範囲内に復帰するだけでは十分でなく、持続的にそこにいられると思わなければならない」と過去に言及しており、総じてRBAはこれまで追加緩和に対して慎重な姿勢を示してきた経緯がある。

 今回の声明文ではこうした中銀の姿勢に変化が生じるかがポイント。RBAの追加利下げ観測が高まると豪ドルにも売り圧力がかかる可能性が高い。その他にも来週は4月2日に米政権の相互関税が発表される予定となっており、豪ドルは重要イベントをにらんで神経質な動きとならざるを得ないだろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は戻りの鈍い動きが予想される。来週は2月貿易収支の発表が控えているが、ZARも基本的には米関税政策に振らされる可能性が高いだろう。市場全般のリスク志向の行方に加えて、国ごとに異なるとされる米相互関税の詳細にも注目しておきたい。もっとも、トランプ米大統領の就任以来、南アに対する米資金拠出の打ち切り、南ア国内の土地政策に関する対立、駐米南ア大使の国外追放と、米国・南ア間の関係は悪化の一途をたどっている。こうした状況下で南アに対する相互関税が穏やかなものになるとは考えにくく、ZARの下押し材料となる可能性が高いだろう。

3月24日週の回顧
 豪ドルは対円で強含み。ドル円が151円台まで上値を伸ばしたことに伴い、95円台半ばまで買いが入った。ただ、対ドルでは0.6300ドルを挟んだ水準で方向感を欠いた動きとなった。ZARも対円では8.2円台の限られたレンジ内ではあったが底堅く推移した一方、対ドルでは18ZAR台前半でのもみ合いに終始した。(了)

国内イベントスケジュール

2025/03/31 06:15
31日
08:502月鉱工業生産速報
08:502月商業販売統計速報(小売業販売額)
14:002月新設住宅着工戸数
19:00外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
1日
08:302月完全失業率
08:302月有効求人倍率
08:50日銀・企業短期経済観測調査(短観、3月調査)
2日
08:503月マネタリーベース
3日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
4日
08:302月家計調査(消費支出)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2025/03/31 06:30
31日
09:003月ANZ企業信頼感
10:303月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
15:002月独輸入物価指数
15:002月独小売売上高
17:00パネッタ伊中銀総裁、講演
17:00ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
17:302月英消費者信用残高
17:302月英マネーサプライM4
21:002月南アフリカ貿易収支
21:003月独消費者物価指数(CPI)速報値
22:453月米シカゴ購買部協会景気指数
欧州・英国は30日から夏時間に移行済み
シンガポール(ハリラヤプアサ)、インド(イスラム教断食明け祭)、トルコ(砂糖祭)、休場
1日
09:302月豪小売売上高
10:453月Caixin中国製造業PMI
12:30豪準備銀行(RBA)政策金利発表
15:003月英ネーションワイド住宅価格指数
15:302月スイス小売売上高
16:303月スイス製造業PMI
16:503月仏製造業PMI改定値
16:553月独製造業PMI改定値
17:003月ユーロ圏製造業PMI改定値
17:15グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
17:303月英製造業PMI改定値
18:003月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
18:003月ユーロ圏HICPコア速報値
18:002月ユーロ圏失業率
21:30ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
22:453月米製造業PMI改定値
23:002月米建設支出
23:003月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
23:002月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
24:003月メキシコ製造業PMI
2日
01:30レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
06:452月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
09:302月豪住宅建設許可件数
16:003月トルコ製造業PMI
19:30シュナーベルECB専務理事、講演
20:00MBA住宅ローン申請指数
21:153月ADP全米雇用報告
23:002月米製造業新規受注
23:30EIA週間在庫統計
3日
01:002月ロシア失業率
トランプ米大統領、「相互関税」発表
07:00ブロックRBA総裁、議会証言
09:302月豪貿易収支
10:453月Caixin中国サービス部門PMI
15:303月スイスCPI
16:003月トルコCPI
16:503月仏サービス部門PMI改定値
16:553月独サービス部門PMI改定値
17:003月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
17:303月英サービス部門PMI改定値
18:002月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
20:30ECB理事会議事要旨(3月6日分)
20:303月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
21:302月カナダ貿易収支
21:302月米貿易収支
21:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
22:453月米サービス部門PMI改定値
22:453月米総合PMI改定値
23:003月米ISM非製造業指数
4日
01:00ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
14:453月スイス失業率(季節調整前)
15:002月独製造業新規受注
15:452月仏鉱工業生産
15:003月スウェーデンCPI
17:303月英建設業PMI
21:303月カナダ雇用統計
21:303月米雇用統計
5日
00:25パウエルFRB議長、講演
03:003月ブラジル貿易収支
中国、香港(清明節)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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