予想とまとめ

週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米自動車関税の影響見極め
2025/03/29 03:50
◆ドル円、米自動車関税発動による影響見極め
◆週末の米雇用統計をはじめ、米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、ECBの追加利下げ観測高まる

予想レンジ
ドル円   148.00-154.00円
ユーロドル 1.0500-1.1000ドル

3月31日週の展望
 ドル円は、トランプ政権による関税政策発動による株価への影響を見極めながら、週末の米雇用統計を始めとした米重要指標に一喜一憂する展開が想定される。トランプ米大統領は26日、米国内に輸入される全ての自動車に対して25%の追加関税を課す文書に署名した。これにより、4月2日から発動され、エンジンなど主要部品についても5月3日までに発動される予定だ。米大統領は「敵味方問わず、彼らは我が国から多くのものを奪ってきた。率直に言って、敵よりも友の方がはるかにひどいことも多かった」と述べており、その味方(友)とされるのが日本であり、今後関税が緩和もしくは撤廃される可能性はかなり低そうだ。対米輸出の3割弱を自動車が占める日本経済への打撃は必至であり、日本の景気先行き懸念は一層高まるだろう。そうなれば、日銀の政策決定にも大きく影響を与えるため、植田総裁をはじめ日銀メンバーの見解に注目したい。

 また、来週は4月1日に3月ISM製造業景況指数、4月2日に3月ADP雇用統計、4月3日に3月ISM非製造業景況指数、4月4日に3月米雇用統計の発表が予定されている。6月の利下げ確率が5割前後と意見が分かれており、指標の結果次第で織り込んでいく動きになるかどうかを見極めることになりそうだ。なお、来週は週明けが月末・期末最終日となり、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けた特殊なフローにも警戒しておきたい。また、日本は4月1日から新年度に入るため、本邦実需勢の動きにも注意が必要となるだろう。

 ユーロドルは上値が重くなりそうだ。世界的な貿易摩擦がもたらす不確実性から、短期市場では欧州中央銀行(ECB)が4月に6会合連続で利下げを行うとの予想が8割程度まで高まっている。ただ、前回会合でラガルドECB総裁は「利下げの一時停止はあり得る」と述べていたほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁も利下げ休止の検討を訴えているため、メンバー間でも意見が分かれている状況。来週は4月1日に製造業、4月3日にサービス分門の欧州各国購買担当者景気指数(PMI)改定値が予定されており、速報値から下方修正されれば一段と利下げへの思惑が広がり、ユーロは下値リスクが高まるだろう。

3月24日週の回顧
 ドル円は底堅い。週明けは3月米サービス部門PMI速報値が予想より強い内容だったことで買いが強まり151円手前まで上昇した。翌日は3月米消費者信頼感指数など弱い指標が相次いだため149円台半ばまで下げたが下値は限定的。米長期金利の上昇も支えに週後半には151円台を回復。一時151.15円まで上値を伸ばしている。

 ユーロドルは方向感がない。週明けに1.0858ドルまで上昇も、米関税政策が嫌気され1.0733ドルまで下押しした。一方で200日MAが下値の目処として意識されたほか、月末絡みの買いが観測されるなど下値は限られた。(了)

国内イベントスケジュール

2025/03/31 06:15
31日
08:502月鉱工業生産速報
08:502月商業販売統計速報(小売業販売額)
14:002月新設住宅着工戸数
19:00外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
1日
08:302月完全失業率
08:302月有効求人倍率
08:50日銀・企業短期経済観測調査(短観、3月調査)
2日
08:503月マネタリーベース
3日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
4日
08:302月家計調査(消費支出)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2025/03/31 06:30
31日
09:003月ANZ企業信頼感
10:303月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
15:002月独輸入物価指数
15:002月独小売売上高
17:00パネッタ伊中銀総裁、講演
17:00ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
17:302月英消費者信用残高
17:302月英マネーサプライM4
21:002月南アフリカ貿易収支
21:003月独消費者物価指数(CPI)速報値
22:453月米シカゴ購買部協会景気指数
欧州・英国は30日から夏時間に移行済み
シンガポール(ハリラヤプアサ)、インド(イスラム教断食明け祭)、トルコ(砂糖祭)、休場
1日
09:302月豪小売売上高
10:453月Caixin中国製造業PMI
12:30豪準備銀行(RBA)政策金利発表
15:003月英ネーションワイド住宅価格指数
15:302月スイス小売売上高
16:303月スイス製造業PMI
16:503月仏製造業PMI改定値
16:553月独製造業PMI改定値
17:003月ユーロ圏製造業PMI改定値
17:15グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
17:303月英製造業PMI改定値
18:003月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
18:003月ユーロ圏HICPコア速報値
18:002月ユーロ圏失業率
21:30ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
22:453月米製造業PMI改定値
23:002月米建設支出
23:003月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
23:002月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
24:003月メキシコ製造業PMI
2日
01:30レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
06:452月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
09:302月豪住宅建設許可件数
16:003月トルコ製造業PMI
19:30シュナーベルECB専務理事、講演
20:00MBA住宅ローン申請指数
21:153月ADP全米雇用報告
23:002月米製造業新規受注
23:30EIA週間在庫統計
3日
01:002月ロシア失業率
トランプ米大統領、「相互関税」発表
07:00ブロックRBA総裁、議会証言
09:302月豪貿易収支
10:453月Caixin中国サービス部門PMI
15:303月スイスCPI
16:003月トルコCPI
16:503月仏サービス部門PMI改定値
16:553月独サービス部門PMI改定値
17:003月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
17:303月英サービス部門PMI改定値
18:002月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
20:30ECB理事会議事要旨(3月6日分)
20:303月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
21:302月カナダ貿易収支
21:302月米貿易収支
21:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
22:453月米サービス部門PMI改定値
22:453月米総合PMI改定値
23:003月米ISM非製造業指数
4日
01:00ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
14:453月スイス失業率(季節調整前)
15:002月独製造業新規受注
15:452月仏鉱工業生産
15:003月スウェーデンCPI
17:303月英建設業PMI
21:303月カナダ雇用統計
21:303月米雇用統計
5日
00:25パウエルFRB議長、講演
03:003月ブラジル貿易収支
中国、香港(清明節)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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