NY為替見通し=債務上限関連のヘッドラインに警戒しつつ、5月FOMC議事要旨に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、債務上限関連のヘッドラインに警戒しながら、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を見極める展開となる。

 バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)との債務上限引き上げを巡る協議が難航しており、6月1日のXデイに向けて、関連ヘッドラインに要警戒となる。
 6月1日のXデイの直前の5月29日は、メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の休日となるため、債務上限の引き上げを承認する米国上下両院の議員は、25日にワシントンを離れて、30日以降に戻ってくることになっている。そして、債務上銀引き上げの合意に到達していた場合、5月30日と31日に上下両院で承認されることになる。

 また、イエレン米財務長官は、6月1日を米国がデフォルト(債務不履行)に陥るXデイだと警告しているが、6月15日に税収が予定されていることで、先送りされる可能性、さらに、9月末までの暫定延長や来年3月31日までの債務上限適用停止案などの可能性も予想されており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 5月のFOMCでは、利上げが打ち止めになる可能性が示唆されており、議事要旨での議論に注目したい。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は、6月のFOMCでの利上げの可能性を示唆し、ブラード米セントルイス連銀総裁は、年内2回程度(+0.50%)の利上げの可能性を示唆しており、利上げに対する見解に要注目となる。

 5月のFOMC後の記者会見で、パウエルFRB議長は、「今回の声明は6月の政策金利据え置きを示唆しているのか」との質問に対して、「追加利上げを見込むとの文言を削除したことは意義のある変化だ」と回答し、「政策は入手するデータに左右され、会合ごとに判断する。その質問には6月の会合時に取り組む」と述べていた。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、2022年11月30日の高値の139.89円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、5月22日の安値の137.50円。


(山下)
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