東京為替見通し=ドル円、6月FOMCでの利上げ観測と債務上限暫定合意で堅調推移か
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、4月米PCEデフレーターや5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値などが軒並み予想より強い内容だったことで、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化観測が高まり、140.73円まで続伸した。ユーロドルは、米10年債利回りが3.8566%前後まで上昇したことで1.0702ドルまで下落した。ユーロ円は欧米株価や日経平均先物の上昇を背景に150.93円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の追加利上げ確率の上昇や米国債務上限引き上げの暫定合意報道などから底堅い展開が予想される。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している4月のPCEデフレーターが前年同月比+4.4%と発表され、3月の同比+4.2%から上昇したことで、6月13-14日のFOMCで0.25%利上げされる確率が高まっており、ドル買い要因となっている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月FOMCでの0.25%の利上げ確率が64%程度へ上昇、7月と9月は据え置き、11月には0.25%の利下げ確率が高まり、12月は5.00-25%で据え置かれる確率が高まっている。
イエレン米財務長官は、米国がデフォルト(債務不履行)に陥る「Xデイ」を6月1日から5日まで先延ばしした。そして、27日にバイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長が、債務上限の引き上げで暫定合意に達し、31日に米議会で採決される予定、と報じられている。今後は、大幅な歳出削減を求めてきた下院の共和党保守強硬派が、すんなり賛成するのか否かを見極めることになる。
米財務省の現金残高は、24日時点で495億ドルまで減少していたが、連邦政府債務の支払い義務を履行する上での必要最低限の現金残高300億ドルは、6月5日まで到達しないのかもしれない。仮にデフォルトが生じる場合は、米財務省短期証券(Tビル)の償還が出来ない場合であり、償還は6月1日に1170億ドル、6日に1230億ドル、8日が1080億ドル、13日が1230億ドル、15日が2460億ドルとなっている。また、15日には450億ドルの長期国債の償還と20億ドルの利払い、そして大口の法人税収が予定されている。
ドル円は8年サイクルで高値反転を繰り返しているが、現状は、2015年6月5日の高値125.86円から8年目となるため、高値反転の可能性には警戒しておきたい。そして、現状のドル高・円安局面では、昨年のような「悪い円安」という懸念は聞かれないものの、本邦通貨当局による現状の円安に対する見解には要注目となる。
昨年、本邦通貨当局は、ドル売り・円買い介入の目的をボラティリティー抑制と表明し、米国財務省もボラティリティー抑制のための円買い介入を容認していた。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、ボリンジャー・バンドの「+2σ」付近までのボラティリティーが上昇した局面で行われていることが確認できている。すなわち、2022年9月22日のドル売り・円買い介入は、「+2σ」の146.12円に接近した局面、10月21日には、「+2σ」の150.39円を上抜けた局面で断行された。
ドル円は、先週末のニューヨーク市場で、140.73円と昨年11月23日以来の高値に到達していたが、「+2σ」は140.79円だった。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の追加利上げ確率の上昇や米国債務上限引き上げの暫定合意報道などから底堅い展開が予想される。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している4月のPCEデフレーターが前年同月比+4.4%と発表され、3月の同比+4.2%から上昇したことで、6月13-14日のFOMCで0.25%利上げされる確率が高まっており、ドル買い要因となっている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月FOMCでの0.25%の利上げ確率が64%程度へ上昇、7月と9月は据え置き、11月には0.25%の利下げ確率が高まり、12月は5.00-25%で据え置かれる確率が高まっている。
イエレン米財務長官は、米国がデフォルト(債務不履行)に陥る「Xデイ」を6月1日から5日まで先延ばしした。そして、27日にバイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長が、債務上限の引き上げで暫定合意に達し、31日に米議会で採決される予定、と報じられている。今後は、大幅な歳出削減を求めてきた下院の共和党保守強硬派が、すんなり賛成するのか否かを見極めることになる。
米財務省の現金残高は、24日時点で495億ドルまで減少していたが、連邦政府債務の支払い義務を履行する上での必要最低限の現金残高300億ドルは、6月5日まで到達しないのかもしれない。仮にデフォルトが生じる場合は、米財務省短期証券(Tビル)の償還が出来ない場合であり、償還は6月1日に1170億ドル、6日に1230億ドル、8日が1080億ドル、13日が1230億ドル、15日が2460億ドルとなっている。また、15日には450億ドルの長期国債の償還と20億ドルの利払い、そして大口の法人税収が予定されている。
ドル円は8年サイクルで高値反転を繰り返しているが、現状は、2015年6月5日の高値125.86円から8年目となるため、高値反転の可能性には警戒しておきたい。そして、現状のドル高・円安局面では、昨年のような「悪い円安」という懸念は聞かれないものの、本邦通貨当局による現状の円安に対する見解には要注目となる。
昨年、本邦通貨当局は、ドル売り・円買い介入の目的をボラティリティー抑制と表明し、米国財務省もボラティリティー抑制のための円買い介入を容認していた。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、ボリンジャー・バンドの「+2σ」付近までのボラティリティーが上昇した局面で行われていることが確認できている。すなわち、2022年9月22日のドル売り・円買い介入は、「+2σ」の146.12円に接近した局面、10月21日には、「+2σ」の150.39円を上抜けた局面で断行された。
ドル円は、先週末のニューヨーク市場で、140.73円と昨年11月23日以来の高値に到達していたが、「+2σ」は140.79円だった。
(山下)